”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ37)

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朝８時４５分。
マスク野郎はこの時間帯から実験室に居る事が分かっていたので、殴り込みに行こうとした。

が、今日は違った。
焦っているような感情の人間が複数。今までこんなことはなかった。マスク野郎も今日は色々な所を動き回っている。

そして１番の異常。

エリちゃんの部屋の所に、エリちゃんの気配が無い。

無いんだ。空っぽ。
焦っているのはこのせいだろうなと思う。かくいう自分も居ないと気づいた時になんで見聞色を広げてなかったのかと自分自身を恨んだ。寝起きだったからとか関係ないだろ。仮にも敵陣だし気になる子も居たんだから見聞色常時展開くらいしとけやドアホ。クソ。ちくしょう。

「ぁ゛ーーー…………」
「…落ち込んでるな。元気だ」
「外が少し騒がしいですね、それと関係あるんでしょうか」

なんでこの組織建物が無駄にでかいんだよ。地下施設が広い。縦にもでかい。地下４階か５階は確実にある。

１番有力なのは、昨日外に行くかと聞いたから待ちきれなくてちょっと外に出てみちゃったパターン。
とはいえ施設内で迷った可能性も捨てきれないからな。

さっきから見聞色を広げてるんだが……なかなか見つからな

「あっえ゛っ」
「どうかしました？」
「いや、みど…………なんでもない」

エリちゃん見つけた、と同時にマスク野郎の気配と緑谷君の気配も同じ所にあるのに気づいて。

場所は外、大通りに出るあたり。
エリちゃんはどうやら外へ出たらしく、それにマスク野郎も追いついたもののそこに運悪く(良く？)ヒーローも居た、と。
そしてそのヒーローさんが緑谷君。あと知らない気配も１つあるけど一般人ではない強さ。おそらくその気配もヒーロー。

なんでこんな所に来るかなァ…？君さ、いちいち首突っ込みすぎだし巻き込まれすぎだよね。いつか死ぬんじゃないの？なにかに巻き込まれて。

…まじか、緑谷君が居るんなら絶対面倒になるぞ。

ここに来る前に少し調べて、マスク野郎のこの組織はすでにヒーローに目をつけられていることは分かっている。
極道しか居ない組織に小さい子供。エリちゃんは初見の人には大変警戒心を抱いている、それは対ヒーローでも然り。あの緑谷君がエリちゃんのその様子を見たら放っておくわけがない。うん、ちょっと言い争いになってるのがわかる。

…あ、でも、ヒーロー側にエリちゃんの存在を認識してもらえれば……エリちゃんを救ってもらえる…のか。ならそれはそれでいいかも。