”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ34)

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「…ごめんね、話が逸れた。エリちゃんは自分で能力を使った事はあるかい？」
「つかいたくないときにも、つかっちゃったことは……ある」
「そっか。その時はどうしたの？」
「…………ちさきさんに……止めてもらってた」
「じゃあ自分で制御できたことはないんだね」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていいってば！人間誰でも初めてのこともあるんだから」

うーん、ちさきさんとやらの能力が気になる。

………………あのマスク野郎が…………ちらつくんだよなァ。ちさきさん＝マスク野郎とかいう最悪の式が成り立っちまった日にはもうわたくしマジであいつをぶち殺すかもしれませんわ。

いや殺すのも生ぬるいなァ、文字通り生き地獄にしよう。手の指から一本ずつ骨を折っていって、１０本全部折り終わったらこんどは切断しよう。その後は足を折って切断して、腕を折って切断して、それでも生きてたら今度は鼻を削いで耳も削いで…………

…何考えてんだエリちゃんの前で。
オヤジにもさすがにやりすぎだって言われてた事をやろうとしてるぞチヅルよ。

いや、オヤジももうオヤジじゃないけど。
前世より何十倍も暴力に対して厳しいこの世界であんなことをしたらエリちゃんにも引かれる。

今考えるべきは、どうしたらエリちゃんが能力を制御できるようになるかだろう。しっかりしろ。

「…能力の、制御の仕方だったね。……そうだな、聞いた感じ、使いたくないって思ってるときにも使っちゃって、そのまま能力を収める方法が分からない…っていう風なんだけど、合ってる？」
「うん、……ほかの人に、めいわくかけちゃうの」
「そっか。ならコツ掴んで『わあエリちゃん能力制御できるようになったの？すごい！』って言われよう。少なくとも僕は言うよ」
「……がんばり、ます…！」
「よし！じゃあエリちゃん、君の能力はどういうものなのかを教えてくれる？できれば……『こういう能力だって言われた』じゃなくて、何ができるかを、エリちゃんの言葉で教えてほしいな」

そうエリちゃんに伝えると今度は言葉に詰まった。
言いたくないわけじゃあなさそうだ、なら何だろう…………自分の能力の詳細がまだよく分かってないとか？

聞いたらそうだと言ってくれた。ごめんなさいという謝罪付きで。

なるほど、自分の能力が分からないと。
４歳に能力者になったとしてももう２年は経っている。自分はどうだったかと聞かれると、２年もすればだいたい能力の制御も出来ていた気がする…が。