”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ32)

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１回寝て、次の日。

朝の９時。
見聞色でエリちゃんがどこかに連れて行かれたのが分かった。一緒に居るのは昨日エリちゃんを部屋に戻したのと同じ気配の人間。

エリちゃんの気配を追っていくと、ある部屋で気配が止まり、部屋からその部屋まで一緒に居た人はどこかに行った。
たどり着いた部屋にある気配は合計３つ。
エリちゃん、マスク野郎、マスク野郎の補佐であろう男。補佐(仮)はあれだな、廃工場にも来てた奴だ。

それから６時間。

「…………」

「…チヅル、機嫌悪いな。いつも通りだ」
「負のオーラが出てる感じがします」

もう、本当、……お前ら本当に、私に理性というものが存在していてよかったなって言いたいよ。

ここで飛び出したところで、エリちゃんの部屋はここからもっと遠くなる所になるだろうし、エリちゃんにどういう影響があるかも分からない。もっと不自由な思いをさせてしまうだろうから。
……さっきから何度落ち着こうと深呼吸をしたことか。

この６時間。
エリちゃんは何度もマスク野郎に腕を切られて時には失血死し、そのたびにマスク野郎の能力で生き返るという事を繰り返していた。
…ずっとこの６時間切られていたわけではない。回数自体は少なかった、が。

小さい子供を、失血死するまで切り続けるってのはどういう事だよ。
なんだ、あの部屋は実験室ってか？ふざけんなクソが。子供を雑に扱うとか人間以下だろ。

午後３時。マスク野郎の用事があるのかいつもこの時間に切り上げてるのか、とりあえずエリちゃんは開放された。
朝、実験室…………この呼び方嫌だな。部屋Ａと名付けよう。部屋Ａに連れて行った人間と同じ気配の奴がまたエリちゃんが生活している部屋へ戻していた。その気配がエリちゃんの世話係なのだろう。部屋に戻してすぐどこかへ行ったあたり愛を感じない。

「…んじゃ私、風呂場探してくるから」
「風呂場？風呂場ですか」
「そう風呂場。昨日は結局部屋の隣がトイレだって事に気づいたからさァ」
「……でも風呂場も隣の部屋に…」
「え？何か言ったかいトゥワイス君？何も言ってないよね、私ってば優しいよねェ２人のために風呂場を探してきてあげるなんて。んじゃ行ってきます」

見聞色を広げて、昨日と同じく人に見つからないように道を進んでエリちゃんの部屋へ。
扉を軽くノックする。返事はちゃんと返ってきてくれたので、扉を開けて部屋に入る。

「…あ……！」
「こんにちはエリちゃん。約束通り、来たよ」