”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ27)

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ゆる、とマスクの下の目と合った気がした。

「お前は？」

意思と反して口が動きそうになったので、とっさに覇気を出して破る。

「何か用？そんなに目ェ合わせられちゃうと照れちゃうなー」
「………………なぜ通じない？」
「あやっぱり真実を言わせる系の能力者だったんだ」
「…チッ」
「聞こえてんぞ」

自分には通じないということは理解出来たのか、最後は２人に向けて聞いていた。

弔から、裏切りの予定を聞かされたかどうか。

……聞かされちゃァいないよ。２人が自分の意思で動くんだから。
裏切りの予定を聞かせるまでもなく、２人がシエなんちゃらカイを裏切ると弔は信じてたんだろう。

あれで入会の儀式は終わったのか、また延々と階段を上り下りして廊下を歩いて、やっとついた部屋に通された。この部屋が自分たちの生活する部屋になるらしい。
呼ばれるまではこの部屋で(・・・・・)好きにしてていいと言われた。

「……要は軟禁だよな」
「暇です」
「将棋ならあるぜ、やるか？ルール知らねぇんだよ！」
「トガちゃんは？将棋やったことある？」
「ないです。聞いたことはあります」
「じゃあ、アレ…………あの、名前ド忘れしたけど、こう、将棋のコマ入れてる箱ひっくり返してコマ全部適当に出して、下から音がならないように将棋のコマを抜いていく遊び……やらない？」

なんでよりによって部屋にある暇つぶしの道具が将棋しかないんだよ。将棋かコマ抜いてくやつしか出来ないじゃん。トランプとか人生ゲームとかならまだ遊べてたのに……配慮が足りないね、配慮が。

最低限、時計とソファーと机と布団はついていたので、この部屋に軟禁されてからどれくらい経ったのかはわかる。
将棋のコマ抜きは早々に飽き、各々昼寝とか昼寝とか昼寝とかをしている。

かくいう自分もコマ抜きにそこまで熱中していたわけでもなく、２人が飽きたと言ってからは片付けて大人しく見聞色を広げている。

施設は想像よりも広かった。まァ覇気を鍛えるには広くて損することはないから好都合だったが。
適当な人間の気配を追い続けるのを数回繰り返し、無闇矢鱈に覇気を広げるのではなく道がある所だけをマークするようにした。それを脳内に描いていく。

３時間程度で、そこそこな広さの地図ができた。分かったのはここが地下３階だということと、似たような部屋が他にもあるということ、それからまだ奥まで続いていることが分かった。見聞色の範囲外からも時々人が来る。広い。