”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ20)

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地面を強く蹴って廃工場まで進み、ドアを蹴破る。

最初に目に飛び込んできたのは、知らない気配の持ち主にミスターが飛びかかっている絵。

確かに、彼の能力で圧縮してしまえばそれで万事解決するが。

見聞色で彼の腕が文字通り弾け飛ぶのが見えた。
入り口のドアを壊した音を聞いてこちらを振り返る、知らない気配のペストマスク野郎。
完全に振り返る前に”剃”で近づき、跳んで覇気を軽く流した足で蹴り飛ばす。気絶されたら起こす手間がかかるからな。

マスク野郎に触れようと飛び出していたミスターが勢い余って転ばないように腕で止め、ついでに彼の肩に刺さっていたモノを取る。壊れないようにポケットの中に入れる。

「うおっ、チヅル！？さっきまで入り口に……」
「……」

「ぐっ……何だよ…」

「は？何だよって何だ、てめェどこで何やったのか分かってないのか」

起き上がって服についた土を払う素振りを見せるマスク野郎。
ミスターが触れかけた左腕の方を特にこすっていたのが少し気になるが。

蹴り飛ばした時に見えた血溜まりと残った下半身。殺されたのはやはりマグネだ。上半身は無い代わりに異様に血の海が広がっていた。

分解とかの能力だろうか？どう殺したのかは分からないが、今やってこないということは少なくとも遠隔で操れるわけではない。

自分目掛けて外から飛んできたモノを人差し指と中指で止める。ミスターの肩に刺さっていたものと同じ物か。
それは今はどうでもいい。

「左腕、だったよな？」

「は？」

「ミスターの腕、弾き飛ばそうとしたろうが。左腕だよな」

「…………」

ガリガリ、と左腕を掻くマスク野郎。返事はない。
ま、痛い思いをするのは向こうの方なんだ。返事をしないということは何をされてもいいって事だよな。

”剃”で近づく。移動するのが見えていたのか、待ち構えるように左腕を持ち上げかけたがそれより私の方が速い。
手首を掴んで引っ張り、関節を伸ばす。ゴキン、と音が鳴ったのは脱臼でもしたからだろう。目元しか見えないが、痛みで顔が歪んだのがわかる。……それで終わるほど生ぬるくねェぞ？

見聞色で見た光景じゃ、ミスターの腕は肩あたりまで持っていかれていた。
よってこいつの腕もそうする。

短剣を握って、下から上に振り上げる。マスク野郎の左腕の切断成功。
切断した左腕はそこらに捨てて胴体に拳を入れる。体がくの字(・・・)になったタイミングで足も払って地面に伏せさせた。