”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ12)

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タイルであの女の頭をガツンとやって気絶させる事はできる。それが１番早く決着をつける方法だし。

けどそれは嫌だ。
あの女は一度本気で殴り飛ばさないと気が済まないから。やったとしても最終手段。

建物の塀、その外に知った気配がいくつかある。攫われた自分らを取り戻しに独断で動いた生徒達だろう。タイムリミットは彼らが動くまでにしよう。

爆豪君はきっと彼らの手をとる。何をするかは分からないけど、”あるもので最大限を”ができる緑谷君の気配がある。十中八九爆豪君は向こうに取られて終わるだろう。
そうなればここにこれ以上居る理由も無くなってしまうから。先生はきっと、自分もなんとしてでも逃がそうとする。そうなるとあの女も殴れなくなる。

……うん、あいつらが動くまで、だな。

”剃”で一気に接近。
タイルで作った簡易版短剣でサッチの攻撃を受ける。間髪を入れずに左右からビスタとハルタが攻撃を入れようとする。タイルを左右に作って防御、と同時にサッチの剣を跳ね上げる。防御に使ったタイルを使ってサッチをどかす。

「サッチ！」
「おォ！？動くのかよそれ！」
「能力も覚えてないんだね」

ハルタの足を払って態勢を崩す。ビスタもそうしようと思ったけどそっちは避けられた。時間稼ぎ…というか、自分から距離を取らせる事ができればそれでいい。

「青炎雁(ブルーバード)！！」

飛んできた蒼炎を加速して避ける。再生の炎とはいえあの攻撃力を舐めちゃいかんからな。

避けた先に槍が出てくるのが見聞色で分かったので、それを避ける。…ジルの槍か。見聞色がなかったら割と危なかった……マルコの攻撃で誘導されたのかな。

「嫌だっ……みんな！！」
「お前１人じゃ何もできねェンだなァ？」

守られるしかないあの女と自分を一緒にしないでほしい。

「なァ皆、自分が居る時もこんな戦いづらかったのかね！？背後からの攻撃を気にしなくていいのは誰が居たからだった！？」
「何を…」
「助けてよ、みんな！」
「たかが１人の洗脳の能力で全員騙されるなんて…………”白ひげ海賊団”も落ちたモンだなァ！！？」
「……！！…てめェ、前世があんなら白ひげ海賊団(おれら)を怒らせた奴らがどうなったか知らねェわけじゃねェだろうが？」
「…あァよく知ってるね、だから怒ってんだよ」

あの女に、能力さえ使えば皆を騙せると思われてた事。
女の思い通りに洗脳された事。
”チヅル”を忘れている事。

全てに怒ってるに決まってるだろ。