”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ2)

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《彼の力は目的に対する努力の賜物です。また、その目的を果たすという事に対する執着心も相当なもの。彼がその目的を捨ててまでもヴィランになる事はありえないと考えています》

「ハッ…言ってくれるな雄英も先生も…そういうこったクソカス連合！言っとくが俺ァまだ戦闘許可解けてねえぞ」

強気な爆豪君。
でもその割には見聞色で見る限りそこまで自信を持っているわけではなさそうだった。…そりゃそうか、まず数の差で不利な上、こっちは殺しも割と慣れてる人ばっかだし、何より自分には１回負けてるし。”タイル”がどれだけ強いかを、生徒の中では一番知ってると思う。

とはいえこちらが爆豪君に手を出せないってのは見抜かれてるから……本気でやられるなら１人２人は怪我するかもな。

「それから……おい半眼野郎、てめぇ家族を探すんじゃなかったのかよ」
「ん？ああそれね。…………”家族”は居なかったから。今はここに居るみんながかぞくだよ」
「は…？何言ってんだお前」

何を言ってるって聞かれても、事実としか言いようがない。

《根拠になっておりませんが？感情の問題ではなく具体策があるのかと伺っております》
《我々も手を拱いているわけではありません。現在警察と共に調査を進めております。我が校の生徒は必ず取り戻します》

テレビはテレビで…。
こっちに戻る気がなかったらどうすんだろう、とか、相澤先生の言う目的がココにあったらどうすんだろう、とか……そういう事は考えないのね。先生達もマスコミ達も。

「……出来れば少し耳を傾けて欲しかったな。君とはわかり合えると思ってた」
「分かり合うだ？ねぇわ」
「でもどうする弔、ヒーロー達も調査してるとか言ってたし」
「そうだな……悠長に説得はしてられない…。先生、力を貸せ」

爆豪君は弔の”先生”発言に、弔がボスじゃなかった事に気づいた。白けるなとか言ってたけどシカトする。

…いい判断だ、と砂嵐が映っていたテレビから声が聞こえた。

爆豪君に聞かれるのはちょいとまずいかな。

「黒霧、ミスター、爆豪君もっかい寝かせといてくれる？」
「ここまで人の話聞かねーとは…逆に感心するぜ」
「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね！！」
「君の暴言のボキャブラリーって死ねしかないのかね」

ミスターが爆豪君に近づいた時、コンコンと入り口の扉が叩かれた。

「どーもぉ、ピザーラ神野店ですー」

…………やっべ見聞色広げんの忘れてた。

「伏せろ！！！」