恋とため息-02 ページ2
不安と嫉妬が渦巻く私の心。
彼への気持ちより不安が勝ってしまいそうになる。
……ほら、また呼び出された。
セミロングで少し内巻きの髪を揺らしながら、メイクもばっちりキメた新入社員の女の子に。
その子が彼に気があると、噂で聞いてた気がする。
彼女は社内の『華』のような人。
くびれた腰と、艶やかな唇が妙に印象的。
しばらくして二人が戻ってきた。
互いに微笑みながらにこやかに会話をしている。
とても『絵』になる。
彼が嬉しそうに笑っていた。
それは、いつもの表面だけの笑顔ではなく、心から嬉しそうに……。
――見ていられない。
休憩時間の合図が鳴り、私は直ぐさま荷物を手に取り屋上へと向かった。
不安と悲しみで私の心は、ぐらぐらと揺れる…。
そんな気持ちを振り切るように足を早めた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この寒い時期になると屋上はがら空き状態。
私は寂しさの増したベンチに一人座り
サンドイッチを頬張った。味なんて分からない。
鼻がつんとして目頭が熱くなった。
キィ…
――ふと…人の気配がしたので、
慌ててお茶を飲むふりをして
目から雫がこぼれないよう上を向いた。
『Aさん？』
「あ…テヒョンさん…」
テヒョンさんは他部署の先輩で、よく食事に誘ってくれる。
…恋人がいる手前二人きりで食事に行くことはなかったけど、とても明るくて笑顔が絶えない青年だ。
『隣…いいかな？』
他にいくらでも座る所があるのに
テヒョンさんは私の隣に座った。
「テヒョンさん、こんなに寒いのにどうしてこんなとこに？」
不思議に思った私はテヒョンさんに尋ねる。
いくら屋上が好きでも今の季節は流石に避けるだろう。
『それはAさんもでしょ？こんな寒いのにどうしてここに？』
「そ、そうだよね！私もだよね！！」
確かにそれもそうだと、
私は可笑しくなって笑った。
『Aさんは笑ってる方がいいよ！可愛い！』
彼はにっと満面の笑顔でそう言ってくれた。
彼の笑顔は不思議と元気を与えてくれる。
「フフッ……ちょっと元気出たみたい」
心配事で疲れていたからか、久々に笑った気がする。
…すると彼は躊躇いがちに口を開いた。
『何か…あったの？僕でよければ相談にのるよ？』
控え目に……しかし、やわらかい口調で問う彼。
その気持ちだけで私の心は軽くなった。
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豆ご飯(プロフ) - はらさん» 修正変更しました！ご指摘ありがとうございました！ (2018年6月1日 16時) (
レス) id: 5b9df3dc71 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年6月1日 16時) (レス) id: f1ac40089b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆ご飯 | 作者ホームページ：http://suki-days.com/
作成日時：2018年6月1日 15時
