恋とため息-01 ページ1
『はぁ……』
今ので何回目になるんだろう
つくたびに肩に重くのし掛かるため息は、
私のテンションを更に低くした。
今日は特に酷い。
肩凝りや、
暖房でぼーっとする頭や、
山積みの資料のことなんかではなくて…
｢チョンさん…あの…ちょっとよろしいでしょうか…？｣
微かに頬を染めながら彼に話し掛けている女性社員。
今週入って三回目となる、お呼び出し。
呼ばれた彼は｢いいですよ｣と、
全女性社員を魅了するかと思うほどの微笑みで答える。
なにも恋人の見えるところで呼び止めることないじゃん。
なんて心の中で呟いてみるが、それは仕方のないことで…
私と彼は、かれこれ二年半ほどお付き合いしている。
無論、社員はこの事実を知らない。
本当に自分が彼の隣にいていいのか、
相応しくないのではないかと
思い悩むことも少なくない。
告白の回数からも分かる通り、彼はモテる。
それもそのはず。
甘いマスクに甘い声、
物腰は柔らかかつ優雅で、
動作一つ一つにも愛嬌がある紳士なのだから。
これでときめかない女はいないだろう…
とても同じ人間とは思えない。
神々しさすら感じそうだ。
自分の見た中でも、彼に告白してきた女性の数は………
『………もう数えたくもないよ』
思わず情けない声が零れた。
彼は本当に私でよかったのか。
彼が女性社員からの『お呼び出し』
と言う名の告白を受けるために席を立つたび
胸がずきずきと痛む。
『やめて！！！』
心は悲鳴を上げるけれど、
もちろん本人たちに届くはずもなく…
私のため息を更に深くさせるだけだった。
同じ職場で働いている以上、
何らかの形で問題が生じた場合
責められるのは彼なんだ。
彼が同じ部署の先輩である以上避けられないけれど…
社内恋愛で浮かれている
などと陰口を叩かれた日には、
申し訳なさすぎてここにいられなくなる。
自分は何と言われようが構わない。
けれど、彼がそうなるのは絶対に許せない。
きっと自分が許せない。
こんな私の心情を知ってか知らずか
『彼』こと恋人ジョングクは私に耳打ちをする。
｢帰りは駐車場で待ってますね｣
その後、 「コピー頼みますね」と先輩の顔に戻る。
本当、わかってない･･･。
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豆ご飯(プロフ) - はらさん» 修正変更しました！ご指摘ありがとうございました！ (2018年6月1日 16時) (
レス) id: 5b9df3dc71 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年6月1日 16時) (レス) id: f1ac40089b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆ご飯 | 作者ホームページ：http://suki-days.com/
作成日時：2018年6月1日 15時
