伍拾壱 ページ9
「…あ、僕、主に戦果報告してくるね…鶴丸、面白かったよ…」
主に報告をしていないことを思い出し、丁度終わったところだろうしと悔しがっている鶴丸に面白かったと付けたして立ち上がる。
僕の何気ない、正座から立ち上がった一連の仕草にお酒を飲むのをやめて軽く目を見張っていた日本号に首を傾げ、手を振って可愛らしく「ばいばい」という蛍に手を振り返した。
廊下に出ると、幾人かの刀が泥だらけの手で野菜を運んだり追いかけっこをしたりして歌仙兼定に怒られている。これも、日常。
「…あーるーじー……」
梓「やあ天使。さっきは見苦しいところを見せてしまったね」
主の部屋にたどり着き、名を呼びつつ襖を開けると部屋の奥には右手を顔にあてて、謎の体制で迎えてくれた主がいた。
…どうしよう閉めたい……僕ごときがそんな態度は失礼って分かってるけどでも…
「……あー…うん。で、戦果の事なんだけど…」
…結局、流すことが最善だと判断して謎の体制をふるふる震えながら保っていた主の前に座る。見上げると、「華麗にスルー…アリか…！！」と、新しい何かに目覚めている気がして、そっと目をそらす。
「…… 戦 果 の こ と な ん だ け ど …」
梓「あっ、はいごめん私が悪かったからその冷風をしまってほしいかなって」
…僕の目を見た瞬間慌てて座りなおした彼女に、ありがとうという気持ちを込めて薄く笑む。冷たいなんて、僕知らない…
気を取り直して、ここにきてからもう何度も経験して慣れた報告を行う。
「…今日は皆凄く調子が良かった…んー、誉は和泉守と江雪左文字が占めていた感じ…当初の目的だった貞宗の練度もあがったよ…資材も幾ばくか…とりあえず手入れ部屋に運んでおいた。」
一息に話し終わってはふ、と息を吐いた。
多分、この報告の時が一番喋るんじゃないかな。こればっかりは慣れなくて、話し終わるといつも声帯と、何故か表情が死 ぬ…って言われてる…。
梓「そっかそっか、いつもありがとう。ゆっくり休んでいいからね」
主は何時も、たどたどしい僕の報告を嬉しそうに聞いてくれる。
いつもはちょっとおかしいけど…こんな僕にも優しくしてくれてるって、分かってる…。
もしかしたら…これは、貴女と皆を愚弄することなのかもしれない。
でも、
でもね。
「主…明日の遠征、僕に行かせて」
だからこそ僕は、守りたい。
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音琥(プロフ) - 面白いです！！！あの、よければ、何ですが・・・僕が書いてる作品に、アドバイスとかいただけないでしょうか、（） (2019年8月22日 16時) (
レス) id: 13c9a9eef6 (このIDを非表示/違反報告)
苺花 - スッゴく！おもしろいです！これからも楽しみにしています！お体にお気をつけて更新頑張ってください！(*'▽'*) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 874c46c86b (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 質問なんですが、５３話の後藤十四郎は後藤藤四郎じゃないですか？？？ (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2ee3afae63 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき。 - どうも！何周もしてる暇なやつです(｀・ω・´)何周しても、面白すぎです。ショタじゃなくてすんませんが、応援してますよー！ (2017年3月21日 20時) (レス) id: c11d58bfc8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - ありがとうございます！更新されてて嬉しいです！ (2017年3月11日 20時) (レス) id: b86fcfd3c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムラビトJ | 作成日時：2016年4月15日 14時
