肆拾捌 ページ6
梓「と、いうことで…私たちとしてはとりあえず様子見って感じかなぁ」
一「それは、出来うる限りの範囲で、という事ですな」
梓「そうなるね。私としても早く解決してほしいし、皆に協力お願いしてもいいかな」
「「御意」」
本丸に帰ると、既に大広間で待機していた刀達に主が細かく資料まで見せて説明をする。
あの写真は約束通り見せないでもらった。というか、今僕が懐に持っている。
主の斜め後ろに正座して沈黙を守っていると、それに目ざとく気づいた加州清光が声を上げた。
加「Aは現世どうだったの？」
そういえばそうだ、と一斉に集まる視線に小さく息をついた。
ちゃんと僕が落ち着くまで待ってほしかったよ加州清光クン。
何の罪もない、もっと言えば話に入ってこない僕への親切心…構ってやろうという善良な気持ちで声をかけてくれた加州清光に無駄に八つ当たりをした。
声も、態度も、ほら…何時も通りに。表情の変化が顔に出にくい性質でよかったと心底思う。
「…箱が黒い道を走ってたり…細長い建物があちこちに建ってたりして、面白かった」
後「そんなのがあんのか！現世スッゲーなー！」
乱「いいなぁ、僕も行ってみたい」
博「金は？金はあったと？」
一番に反応するのは矢張り短刀達で。僕の言葉に好奇心でわいわいとはしゃぎ始める。
博多は例外ってことで…。
主が若干心配そうな顔をして此方を見てくるのに気づいたから、へらりと笑って見せた。
瞬間バッと横を向いて「不意打ち…ッッ！！！」という言葉とともに鼻をおさえた主。
それを半目で見る短刀達。直後、その目と耳を素早く塞ぐ保護者達。
僕の視界もいつの間にか鶴丸の手によって塞がれていた。
また主が何かしら目に悪い事をやっているのだろうとその手を外そうとするのを早々に諦める。
何時も通りの空気。緊張の解けた大広間。
兄方達も楽しそうに笑っている気配がする。
このままでいい。兄方達も、皆も。あわよくば何も知らないままで。
そっと強く願う。
僕も根本的には何も知らないし、僕の懸念はただの予想に過ぎないと言ってしまえばそれまでだけど。
写真を見てからずっとざわつく胸が、落ち着こうとする僕を引き留める。気にし過ぎかと忘れようとする僕にそれでいいのかと囁く。
「(嫌な予感程…当たる)」
僕には果たしてそれが正しいのか何て判断する事すら出来ない。
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音琥(プロフ) - 面白いです！！！あの、よければ、何ですが・・・僕が書いてる作品に、アドバイスとかいただけないでしょうか、（） (2019年8月22日 16時) (
レス) id: 13c9a9eef6 (このIDを非表示/違反報告)
苺花 - スッゴく！おもしろいです！これからも楽しみにしています！お体にお気をつけて更新頑張ってください！(*'▽'*) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 874c46c86b (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 質問なんですが、５３話の後藤十四郎は後藤藤四郎じゃないですか？？？ (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2ee3afae63 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき。 - どうも！何周もしてる暇なやつです(｀・ω・´)何周しても、面白すぎです。ショタじゃなくてすんませんが、応援してますよー！ (2017年3月21日 20時) (レス) id: c11d58bfc8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - ありがとうございます！更新されてて嬉しいです！ (2017年3月11日 20時) (レス) id: b86fcfd3c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムラビトJ | 作成日時：2016年4月15日 14時
