肆拾伍 ページ2
僕は呆然と主の口から紡がれる言葉を聞いていた。
他の刀もそんな感じで、唖然と。
審神者が、消える？刀剣や、本丸までまるごと？
梓「一番困るのは、今わかってるのはそれだけだって事。だから収集に応じる形で一度現世に降りて詳しい話を聞いて来ようと思う。そうしないと何も始まらないからね」
いつもの変態っぽさは跡形もなく、冷静に状況を説明する主。その落ち着き様にだんだんと形の見えない不可解な出来事に不安そうだった刀剣の表情も薄らと和らいだ。
その雰囲気の変化に主は安堵したように小さく息を吐き、そして何故か僕の方を真っ直ぐに見つめてきた。
梓「それで。私はAくんについてきて欲しいんだ。」
数秒の沈黙。集まる視線。
「………ん？Aくん？…もしかして僕に言ってる…？」
何拍か遅れて反応すると、にっこりと何処か黒い笑みを浮かべて深く頷いた主は怖かった。
正直お断りします、だ。同行するってことは要するに主を守る重大なお役目があるわけで。僕に務まるなんて欠片も思わない。それに僕はまだ新参者の部類なのに。
誰にともなく助けを求めて周囲をぐるりと視線を巡らすと、何故か目をそらされるかとてもイイ笑顔で親指を立てられる。
なんでだよ、誰か反対しろよ。
いつもはべったりとひっついて過保護な兄方も「現世でもまた見聞を広めると良い」なんて言い出す始末で。ピクニックに行くんじゃないんだよ…？
どうやら、助けは見込めないようだ。蛍も裏切ったし…。なんなの、その笑顔可愛いけど憎たらしいって。
「…主の御心のままに。」
だから、言い慣れた言葉を言って膝をつくしかなかった。主を守れとか重すぎて胃に穴空きそう…。いや、守るけど……。
梓「よし！じゃあ早速行こうか？」
「うん」
妖刀黒雨A、ある意味生まれて初めて現世に降ります。
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音琥(プロフ) - 面白いです！！！あの、よければ、何ですが・・・僕が書いてる作品に、アドバイスとかいただけないでしょうか、（） (2019年8月22日 16時) (
レス) id: 13c9a9eef6 (このIDを非表示/違反報告)
苺花 - スッゴく！おもしろいです！これからも楽しみにしています！お体にお気をつけて更新頑張ってください！(*'▽'*) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 874c46c86b (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 質問なんですが、５３話の後藤十四郎は後藤藤四郎じゃないですか？？？ (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2ee3afae63 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき。 - どうも！何周もしてる暇なやつです(｀・ω・´)何周しても、面白すぎです。ショタじゃなくてすんませんが、応援してますよー！ (2017年3月21日 20時) (レス) id: c11d58bfc8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - ありがとうございます！更新されてて嬉しいです！ (2017年3月11日 20時) (レス) id: b86fcfd3c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムラビトJ | 作成日時：2016年4月15日 14時
