三条、唯一の失敗作と謳われた刀［刀剣乱舞×男主］

参拾壱 ページ34

何故この場所で石切丸の声が聞こえるんだろう




というか目覚める？待たせてるって…一体どういうこｔ「うわぁっ！？」




石切丸が発するには珍しく厳しい声が紡いだその意味が気になり、一度振るう刀を止めた。すると突然強い力で何かに右手を引っ張られる感覚。




『こっちですよ！』




自分よりも幾分か小さい手が僕を引っ張っている。姿は見えないがそれは明らかに今剣で。
ぐいぐいと迷うことなく暗い場所を走り抜けていく





え、ちょ、ちょっと待って…一言、言わせてほしい。







………何事？





さっきまでのシリアス場面は何処へ行ったのか突然の事に戸惑い、黒い靄など跡形もなくなっていた





あれ、僕ってここに戻ってきたんじゃなかったの？なんでここに今剣が？というか徐々に今剣の姿が見えてきたのは何でですか




完全に見えるようになった今剣に早く早くと急かされるまま走り続けているとまた謎なことに三条組と何故か太郎太刀、そして主が遠くに見え始める




何だ、あの謎面子は……




ここに居ることは勿論疑問だが…三条はともかく何であの大きい太郎太刀？
そんな事を考えているといつの間にか手を伸ばせば触れられるほど近づいていた



徐に主が一歩前に足を踏み出し…




梓「よっしゃAくん捕獲ぅぅぅうぅう！！！」




「はっ？」




僕のもう片方の腕をむんずと掴み、高らかに告げた主の言葉が耳に届いた刹那、一気に視界が真っ白な光に覆われた




数秒後、纏わりつく空気が変わる。




梓「ほら、Aくん目開けて開けて！」




主の言葉に従いぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開くとまず目に入ったのは木でできた天井。そしてそれを囲むように此方を覗き込んでいるさっきの謎面子。




「えぇっと…？何事……？」




梓「うん成功してよかったけどさ。Aくん…君、意外とお馬鹿なの？ねぇ、なんで自分から意識閉ざしちゃうかなぁ？ねぇねぇ、何一週間も強固なロックかけてくれちゃってんの？」




こ、こわっ………主目が据わってる、目が笑ってないやばい超怖い




石「どうやら祈祷は役に立ったようだね。安心したよ」





今「ぼくもやくにたちましたよ！」




さっきまでの厳しかった声は跡形もなく、いつもの柔らかい微笑を浮かべる石切丸とえっへんと誇らしげに胸を張る今剣。その手は未だに僕の手と繋がれていた





誰か、状況説明下さい……



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シリアス？いいえ、シリアルです

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