三条、唯一の失敗作と謳われた刀［刀剣乱舞×男主］

参 ページ4

パァン、と主がなんとも豪快に襖を開け放った



梓「ハイちゅうもーく！！！」



横では薬研が「大将……もうちょっと丁寧にできねぇのか」と顔を片手で覆っていた


これには僕も同意だ


完全に注目を集めなくてもいいと思う。切実に。


梓「新しくきた子を紹介するね！名前は、えーっとく、黒……」


あ、主名前忘れたな。


恐らく僕含め大広間にいる多くの刀剣達も思ったことだろう。


何よりその表情がすべてを物語ってる


見ていて面白い人だ


仕方ないので主の背後から姿を見せた


「僕は黒雨A。妖刀だから失敗作って言われてるけど……ま、宜しくね。」


と多くの視線に向けて最後に自嘲気味に笑ってみせる


次の瞬間


「わぁ？！」


強い力で誰かに引き寄せられ、抱きすくめられた


ふわっと香る懐かしいいつくもの香り


後ろで主の慌てたような声がする


「…岩融？」


岩「おぉよ。また会えるとは思わなんだ…よくぞ無事で」


「……うん」


今「ぼくもいますよぅ！」


三「あっはっは。Aよ、久方ぶりだのう」


他にも小狐丸や石切丸もいた。僕の兄にあたる方々。


失敗作の僕とは違って綺麗で


雰囲気も澄んでいて


何より自然に笑えてる


眩しいなぁ


そういえば僕、まだ抱きしめられたままだった


大変だ。


「岩融、離して。岩融が呪われちゃう」

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