三条、唯一の失敗作と謳われた刀［刀剣乱舞×男主］

拾陸 ページ19

獅「んじゃ、行ってくるぜ！」



梓「気をつけてねー！あと検非違使が出たら戦わずにすぐ帰って来るんだよ！」



玄関口で見送る主に各々手を振る。



ちなみに僕の他に獅子王、前田藤四郎、宗三左文字、同田貫正国、そして散々無理を言って歌仙兼定の代わりに付いてきた三日月が今回の出陣の隊員だ。




隊長は獅子王。特に張り詰めた緊張感もなく戦場を歩く。




暫くして。ぴくりと何かの気配を察知し、思わず足を止めた



皆も同様に立ち止まり、先を見据える



獅「やっとお出ましだぜ！」



同「はっ。敵全員ぶった斬ってやるよ」



前「全力を尽くします」



宗「宗三左文字、行きますよ」



三「はっはっは。各々、くれぐれも怪我をせぬようにな」



「とりあえず、勝たせてもらうね」



目を眇めてみれば遠くに見える無数の黒い影



合わせたように全員がスラリと刀身を抜く



久し振りに抜き放った黒い刀身が日の光に反射した



敵を無駄に刺激せぬよう静かに視線で合図をしあい、素早く陣を敷く



じりじりと距離をつめ、お互い弓が届く範囲に達する



目の前、睨み合う敵に集中した僕の頭は雑念を消し去り、代わりに一つの思考を浮き彫りにし始める。




つまり






__________________敵ヲ、殲滅セヨ。

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