三条、唯一の失敗作と謳われた刀［刀剣乱舞×男主］

壱 ページ2

暗い。


何処を向いても真っ暗で


息苦しくなるほど淀んだ空気


今迄僕が斬り殺してきた人々の怨念が纏わりつく

キモチワルイ


膝を抱えて頭を埋める


会いたいなぁ………皆


そう思った時


パァァ、と今迄暗かった空間が目を瞑ってしまうほどの眩しい光に照らされた


上へ上へと引っ張り上げられる不思議な感覚


「…………え？」


気が付けば知らない女と男の前に立っていた


混乱しながらも頭にふっと浮かんできた言葉をそのまま紡ぐ


「僕は黒雨A。妖刀だから失敗作って言われてるけど……ま、宜しくね。」


最後にへらっと笑うと何故か呆然と僕をガン見していた女の人が我に返る


梓「初めまして！私は梓。この本丸の審神者やってまーす、これから宜しくね！！」


「あ、うん……ごめんね。僕人に触っちゃいけないから…」


ニコニコと手を差し出してくれたのを罪悪感たっぷりにそっと断る


それでもその人……もとい、主は全く気にした様子もなく


梓「そうなんだ！ごめんね、変な事して」


逆に謝られた


僕にとってはひじょーに居心地が悪い訳で


思わず先ほどから黙りこくっていた男の人に視線を向けた

弐→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す