＃ ページ8
Miyadate side
〈最寄り着いた。今から帰るね。〉
メッセージ画面を閉じて駅の外の景色をじっと睨む
今日雨降るなんて聞いてないし…
タクシーで帰ろうか、それとも傘を買うべきか
そこで迷わずタクシーを選んどけば良かったのに、勿体無いと思ってしまった俺はコンビニで傘を買い少し冷えた夜道を歩き出した
．
この時俺は油断して気づきもしなかったんだ
雨の音にかき消されたソイツの存在を
．
いつものコンビニを過ぎたあたりでソイツは来た
このコンビニを超えると人通りも少なくなるし街灯しか俺を照らしてくれない
その隙をずっと狙ってたんだ
急に肩を掴まれ、ハッと息を飲む
男が耳元で、やっと近づけた…と気味の悪い声で囁く
震える手では傘を持つこともできなくてパタリと下に落としてしまう
後ろから抱きしめられサーっと首元を触られる
「ははっ、怖くて声も出なくなっちゃった？」
そう言って喉仏を撫でられ、俺はこのまま殺されるのかもしれないと今までで感じたことのない恐怖を感じた
怖い、気持ち悪い、早く逃げなきゃ、助けを求めなきゃ
その全部の思考が一気にパンクして何もできなくなる
無理やり近くの空き家に引きずり込まれそうになったところで助けの光が差し込む
この前と同様、俺の携帯が大音量で鳴り響く
お互いびっくりしつつも今しか逃げるチャンスはない！となんとか男を振り払う
それでも男は離させまいと俺にしがみついてきて二人で泥の中にもつれ込む
ドロドロになりながらもなんとか振り払い、とにかく全力で走った
走りすぎて上手く呼吸ができないし、胸やお腹が痛むけどそんなの気にしてられない
大雨に打たれながらもなんとか家の前の一本筋まできたところで盛大に躓いてしまった
こんなボロボロな体じゃすぐ立てるわけもなくて
それでも早くしないとアイツが来る、という恐怖心がドッと襲ってくる
家はもう目の前なのに……
パニックになって乱れる呼吸にとうとう俺は地面に倒れ込んだ
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ポコ(プロフ) - このシリーズ大好きです。最後のこーじ君のお話の続きがめちゃ気になってます笑 無理しない程度で投稿頑張って下さい！応援しています。 (2020年3月29日 16時) (
レス) id: 5268447d1d (このIDを非表示/違反報告)
ぶるーちーず - このお話大好きです！作者様のペースで全然大丈夫なので頑張ってください！ (2020年2月10日 9時) (レス) id: ab89a0a9b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優 | 作成日時：2019年9月26日 16時
