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ベク「ビョン・ベッキョンって言います。」
A「ベッキョンさん……って、あぁ！」
しまった！
こういう時は自分から名乗るもんなのに……！
A「あの、私は」
ベク「Aさんでしょ？知ってる」
A「え？なんで」
ベク「いつも名札つけてんじゃん」
そうだ！！
バイトしてる時名札つけてんじゃん！！！
ベク「毎週水曜日働いてんの？」
A「水曜日……と後は適当ですね。ベッキョンさんは水曜日毎回来てくださいますよね」
ベク「……まぁ、ね」
A「この辺に住んでるんですか？あ、そうだ。この前マンションに行ったんだった。」
ベク「大学が近いんだ」
A「え！？そうなんですか！？私も大学この辺の所に進む予定ですよ！」
私がそう言うとベッキョンさんは目を丸くする。
ベク「え！？どっち！？」
この辺には大学が3つある。
一つ目は国立の超難関大学。
二つ目は私立の女子大。
そして三つ目は共学なのに、なぜか男子しかいない県立大学。
ちなみに二つ目と三つ目の大学は正面同士にあり、一つ目の国立難関大学だけは少し外れたところにある。
きっと一つ目か二つ目だと思って「どっち？」と聞いたのだろう。
A「えっと、女子大です。」
そう言うと「そっちかー……」とつぶやいてなぜか残念そうな顔をするベッキョンさん。
A「ベッキョンさんはどこの大学なんですか？」
ベク「国立の法学部。」
A「え！？すごい頭良い！しかも法学部なんて最難関じゃないですか！！」
すごいすごい！！
超頭いいじゃん！！！
ベク「……そこの女子大と目の前の県立さ、よく合コンとかやってるけど行かない方がいいよ。ろくな男いないから。」
A「あ、数多の可能性をなぜ潰すんですか！」
ベク「その、なんて言おう。」
ベッキョンさんはコップについた水滴をペーパーで拭きながら言葉を探す。
A「あ、じゃあもしなんかあったら連絡するのでベッキョンさんの後輩でも紹介してください！」
私がそう言うと
ベク「あ、じゃあ連絡先交換しよう！」
うん。とりあえず今はこれでいい、なんてベッキョンさんは何やら呟きながら携帯を取り出す。
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