【５カ条】裸足になるべからず ページ28
〜Aside〜
やばいやばいやばいやばいやばいやばい！！
！！
バイト終わりの昼12時。
いつもは走らないエントランスを全力疾走して愛の巣ことお家に向かう。
ｶﾞﾁｬ!!!
いつもより乱雑にドアを開け、リビングで
A「べっちゃ……ん！？んんんんんんんんんんん！！！！！！？？？？？」
リビングにはソファーに姿勢正しく座り、テレビを見てるべっちゃん。
……って
ベク「うわ、おかえり」
A「ななななななななななに見てんの！？え！？欲求不満なの！？はい！？」
ベク「いや、は？」
A「だってこれ！女の人の、は、は、は、はだ、か、の……か、体……！いやあああああああああ！！！！！！！！」
ベク「騒がしい騒がしい」
べっちゃんは画面いっぱいに広がる女の人の身体を何事もなかったように消す。
A「いいいいいい今のはなんですかぁっ！？」
ベク「あ？サカナのユリイカ。」
べっちゃんはドルヲタの私とは違いサカナクションというバンドが好きだ。
A「で、でもあんなぜ、全裸の方が20人くらい……！」
ベク「だから女の人の身体の凹凸で東京のビル表してるんだってこのPV。多分。」
A「べっちゃんがそんな人だったとは……」
ベク「話を聞け。逆空耳の歌だ。」
A「ぎゃくそらみみ？」
ベク「俺らの言葉が英語に聞こえること。例えば『いつ永遠終わるかな』っていうのを節をつけて歌うと『It's yeah yeah work all night』に聞こえたりね。」
A「は？」
ベク「『風邪が吹く』とかも節をつけると『It's so good』に聞こえたり。俺はそういうお洒落なのが好きなの。
だから決してそういういかがわしいPVではない。聞けばわかる。聞け。以上。」
なんだか話をまとめられてしまったぞ？
……じゃなくて！
A「たたたた大変なの！」
ベク「手は洗った？」
A「まだ！！」
うわ、明らか顔をしかめた！
A「私の携帯になんか『テヒョン』って人の連絡先が入ってたんだけど」
ベク「……は」
A「そしたらその人、今日バイトに新しく入ってきた人だったの！未来の友達かもしれない！」
興奮気味に喋る私に対し、べっちゃんは仏頂面だった。
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