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〜ベクside〜
ベク「はぁ……」
何度目の溜息か。
ドアの横に座り込んでポケモンをやっていたが電池が食いそうなのでやめる。
時刻はもうすぐで10時。
Aは何してるのかな？
俺のことなんて気にしてないのかな？
その証拠として着信おろかメッセージすら来ない携帯。
ほんと何やってんだ俺。
勢い余った出て行ってしまった為、今更戻るなんてことできないし。
チャニョルとの電話だってただの演技だし。
妬かせたかった。
でもあんま効果なかったのかな？
諦めて携帯をポケットに入れて、立ち上がった瞬間だった。
ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ
＿＿＿＿嘘、だろ。今かよ！！
ﾊﾞﾝｯ！
開いた扉。
……っておい！鍵閉めてねーじゃん！
俺は慌ててAの腕を引き、後ろから抱きしめた。
ベク「鍵も閉めてないのにどこいくの？」
耳元に声を落とせば固まる体。
俺はもう一回ｷﾞｭｯとすると、
ベク「外でずっと待ってるの、大変だったんだからね。」
と言った。
A「べっ、ちゃ……ん……？」
Aの声は涙声で。
ベク「ん？」
その言葉と共に腕の力を弱めると
A「……っ」
Aは勢いよく俺の方を振り返り、涙を溜めるとｷﾞｭｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳと抱きついてくる。
ベク「なんで泣きそうなの？」
A「べっちゃんが、他の女の子と遊ぶのつらいから……っ！」
あ、れ？
もしかして効いてる？
もう少しカマかけてみよう。
ベク「……所詮彼女なのに？」
A「っ、べっちゃ、ご、めんな……さいっ！」
ベク「ん？」
A「所詮なんて、やだ……っ！」
お？俺の伝えたかったこと伝わってる。
ベク「……俺、あれ言われた時すごい悲しかったよ？だってAのれっきとした彼氏でいたかったからさ」
A「……っ」
ベク「とりあえず中入ろ？」
きっと汚いんだろうなぁ、なんて思いながらドアを開ける。
A「お……っ、おかえ…り」
ベク「泣きすぎ。つーか合コン行ってないよ。」
A「え……？」
優しすぎるかもしれないけどﾎﾟﾝﾎﾟﾝ、と頭を撫でれば更に泣きそうになるA。
ん。やっぱ可愛い。
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