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結局あれからべっちゃんとは一言も口をきかず。
午後６時になった時にべっちゃんは部屋を出て行った。
A「……」
家にいるのに
べっちゃんの夜ご飯じゃないのは初めてだった。
べっちゃんがお風呂を沸かさなかったのも初めてだった。
べっちゃんが洗濯機を回さなかったのも初めてだった。
A「……」
静まり返った部屋。
いつものように磨かれた床の上に寝っ転がっていても怒る人は誰もいなくて。
……いいじゃない。快適よ。
なのになんで私、こんなに悲しいのだろう。
悲しみを紛らわすためにテレビをつけた。
そうだ。
録画していた歌番組見よう。
再生した番組。
A「……」
べっちゃんは本当に優しい。
CM部分を全部カットしておいてくれる。
A「……なんでだろう」
いつもみたいに盛り上がれなかった。
チャンミンはかっこいいのに。
大好きなポテチをソファーの上で横になりながら食べた。
私は1人だった。
A「……」
いつもは聞こえる怒鳴り声が、いつもは私を叩く手が、いつもなんだかんだ許してくれる笑顔がそこにはなくて。
A「べっちゃん……っ」
時間がただただ過ぎていく。
べっちゃん。べっちゃん。べっちゃん。
A「……っ……ぅ……」
苦しかった。
気がつけば泣いていた。
今頃私じゃない女の子とご飯食べてるの？
今頃私じゃない女の子に笑いかけてるの？
今頃私じゃない女の子の面倒見てるの？
A「や、だよ……」
馬鹿。
私の馬鹿。
「たかが男の人とご飯食べるだけ」なんてなんで言っちゃったんだろう。
一瞬悲しそうな顔をしたべっちゃんを思い出す。
＿＿＿＿謝んないと。
べっちゃんに嫌われちゃう。
やだ、べっちゃん。べっちゃん。べっちゃん。
私は飛び上がるように起き上がる。
探さないと、べっちゃんを探さないと。
時刻は10時。
1人は怖い。
でもべっちゃんがこの先隣にいてくれない方がもっと怖い。
なら、居場所はわならないけど、探さないと。
ポテチもテレビもそのままに、適当に靴を履いて部屋を飛び出した
＿＿＿＿瞬間
「鍵も閉めてないのにどこいくの？」
背中に感じる温もりと
「外でずっと待ってるの大変だったんだからね」
聞きたかった声。
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