【４カ条】戸締りを忘れるべからず ページ24
A「あのぉ、１つよろしいでしょうか」
なんで私改まって敬語になってるんだ。
私は相変わらず私を押し倒してる存在であるべっちゃんを見上げる。
ベク「……」
ひいいいいん
目線しか向けてくれない！！
鬼！！
……じゃなくて！
A「たかが男の人とご飯食べただけだよね……？」
おずおずそう言えば、丸くなるべっちゃんの目。
そして
ベク「……それマジで言ってんの？」
って呟く。
A「だって私べっちゃんが女の人と食事しに行ってもなんも感じないよ？……多分。」
べっちゃんが女の人と食事に行った、なんて話聞いたことないから想像もできないけど。
大したことないんじゃないかな？
だって
A「べっちゃんって、所詮彼氏でしょ？」
ベク「……！」
べっちゃんは驚いたような顔を一瞬した後
ベク「…」
とても悲しそうな顔をして、私の上から退く。
そして
ベク「じゃあAはこの先俺が誰と飲んだり食事しても干渉しないってことだな？」
と言う。
ここまで来たら食い下がれなかった。
A「……うん」
私が頷くと
ベク「そうだよな。俺が悪かった。大学生活エンジョイしたいもんな。合コンとかだって行きたいよな。異性と食事にも行きたいよな。」
と一気に早口でまくし立てる。
ベク「それじゃあ俺も今まで全部断ってたけど行かせてもらうよ」
A「……」
べっちゃんはソファーから立ち上がりポケットに入ってた携帯を取り出すと、どこかにかけ始める。
ベク「もしもしチャニョル？……ん、突然ごめん。俺、合コン行けるようになったから。……理由？まぁ色々。……あ？なに？今日の夜あるの？行くわ。」
今日の夜？
突然ｽﾞｷｯと胸に何かが走った。
ベク「彼女？いないことにしといて。ほんじゃあ後で。」
A「え……？」
彼女いないって……え？
べっちゃんは電話を切ると私の方を見る。
ベク「……なに？」
A「今、彼女いないって……」
ベク「合コンってそういうもんなの。そういう風にしないと出会いって拾えないから」
A「でも」
ベク「お互いに干渉しないんじゃないの？」
A「……っ」
べっちゃんはそう言うと、ロッカールームに入ってく。
なぜか胸が苦しかった。
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