干れたもん負け (ページ22)

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ヒョンが呼んでくれたタクシーに乗り込み、マンションへと向かった。

タクシーの中で靴は脱がせ、Aをお姫様抱っこしつつ靴を持ち家の鍵を開ける。

ベク「……」

俺の腕の中にいるAからはいつもと違う香りがして。

ムカつく。

今すぐにでも起こしてキレたいけど絶対記憶飛ぶから、明日の昼まで我慢。

そうすれば俺も怒りすぎることはないだろう。

まずはAをベットに寝かす。

またシーツ洗わないといけなくなっちまったじゃん。

明日は休日だから、夜更かししても平気だな。
Aが起きるのを待とう。

きっと起きたらツライはずだから。

俺はお風呂に湯を張り、保温で設定しておく。

次に玄関に行き置いておいたスーパー袋を回収し、冷蔵庫に食材を入れる。

薬も出しておいた方がいいな。

俺はもう21歳だからお酒は飲めるのだが、Aと同棲してからは滅多に飲まない。(飲む時はAが宿泊研修などいない時のみ)

Aとまだ同棲してない20歳の時に買っておいた薬があったはず……あった。

2錠。
俺はプラスチックケースに入れて、机の上に置いておく。

後はなんだ？粥でいいのか？

……って

ベク「俺、怒ってるはずだよな？」

ちょっと甘過ぎないか？

……でも。

無事戻ってきてくれた、それだけで幸せだから。

Aの面倒は他の誰でもなく、俺が見たいし。

俺はAが起きるのを待つためソファーに座る。

まぁでも

ベク「……久しぶりにご機嫌くらい取ってもらおうかな」

Aが元気になったら久しぶりに、ね。

～Aside～

頭がガンガンする。

A「ん……ぅ……」

目を開けるといつも通りの天井。

頭痛いなぁ。もう少し寝よう。

今日は休日だし…………あ、れ？

ｶﾞﾊﾞｯ!!!っと勢いよく起き上がる。

A「え！？帰ってきた記憶ない！！！」

ベク「そんなに勢いよく起き上がると体に悪いよ」

A「べ、べっちゃん！？」

ベク「おはよ。はい、飲んで。」

ベットに腰掛けるべっちゃん。

え！？え！？
手にはコップと薬の乗ったお盆が乗っけられていた。