干れたもん負け (ページ21)

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ｶﾗﾝｶﾗﾝ……とドアを開けるといつも通りベルが鳴る。

ベク「ヒョン！！！」

俺はカウンターでグラスを磨いてるマスターに声をかける。

ルハン「おお。ベク。」

そう。
この店は俺の知り合いのヒョンがバイトしてる店だ。

ベク「ご、合コン！」

ルハン「は？セッティングしてほしいの？」

ベク「違う！！あの、今日ここで合コンやってる奴らどこの部屋！？」

ルハン「いや、この店大きいから合コンなら５個くらいやってるけど」

優雅にボードを見るヒョン。

うわ、絵になる……じゃない！！

ベク「貸して！」

俺はその手からボードをひったくると目を通す。

ざっと目を通すと……これだ。

ベク「ありがとう！」

ルハン「おい！ベク！？」

走って行こうとする俺の腕を掴むルハニヒョン。

ベク「離してください！」

ルハン「いくらお前とはいえ、お客様の楽しみを邪魔することは出来ない。」

昔からそうだ。

ルハニヒョンは何があっても仕事には私情を挟まない。

でも＿＿＿＿

ベク「俺の女がいるんです！」

俺は手を振り払って店の奥へと駆け込む。

106号室。106号室。

……っと、通り過ぎちまった。

俺は軽く舌打ちをして引き返す。

ﾊﾞﾝｯ！！！！！！

荒々しく開け放ったドア。

一気に視線が俺に注目する。

「うわ、超イケメン！！なに！？新しい連れ！？」

1人の女が口を開いたけど、生憎そんなんじゃない。

ベク「……返してもらいに来た。」

俺はブチギレそうなのを堪えてニヤニヤと笑うキム・テヒョンとその膝の上にちょこん、と座って眠っているAの前に立つ。

その行為を見て女達も黙った。

テヒョン「相変わらずナイト気取りが抜けないみたいだねぇ」

テヒョンの言葉は無視して、Aの膝の裏と脇の下に手を回し持ち上げる。

そしてﾍﾟｺﾘと頭を下げ

ベク「彼女が迷惑おかけしました。」

と全く迷惑をかけてないが一応一言を添え出ていこうとした時

テヒョン「ベク」

足が止まる。

テヒョン「その子気に入っちゃ

ﾊﾞﾝｯ！！

最後まで聞かず閉めたドア。

フロントまで行けばヒョンが待っていて。

ルハン「タクシー、呼んどいたから」

ベク「え？」

それだけ言うとヒョンは奥に戻って行った。