【東方Project】～少女の幻想郷見聞録～ (ページ8)

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一章　　まだ無題　～Ⅱ～ページ8

『…俺は、気がついたらここにいたんだ。結界がどうのなんてのは知らない。

まわりがどうなろうが、関係ない。知ったことか。』

まだ自分がどうなったかすらわかってないのに。
心の中で付け足しながら正直に断言すると、周りの空気が冷たくなった気がした。

「―あら、そう。じゃ、私と弾幕ごっこでもしましょう？
私があんたをブチのめしたら全部吐いてもらうわよ。」

そういうと、霊夢は大量の弾幕を生み出し冷やかにほほ笑んだ。

「…ッ、絵奈、飛ぶぜ!!」
『んなっ!?飛ぶ!?』

魔理沙が私の手をつかみ地面を全力で蹴り、宙に跳びあがる。
その瞬間、ついさっきまでいた場所に弾幕が襲いかかる。

助かった。
もし魔理沙が手を引いてくれなかったらと思うと、ぞっとする。

でも、跳躍しただけで、登りきれば落ちてしまう。落ちる衝撃に耐えるため目をきつく閉じる。

だが、一向に衝撃が来ない。
目を開けてみれば、私は魔理沙に手をつかまれ宙ぶらりんで、魔理沙は空中で浮いていた。

「よせ霊夢!!絵奈を倒しても問題は解決しなし、そもそも来たばっかだからスペルカードがないんだぜ!?
そんなもの、絶対に霊夢が勝つだろ!!
卑怯だぜ!!」

魔理沙がほうきに仁王立ちしながら、サーフィンの要領で飛んでくる弾丸を器用に避けながら叫ぶ。

「魔理沙はその娘の見方をするのね。

―がっかりだわ。」

霊夢は冷たい視線をいまだにぶら下がったままの私に向ける。

「じゃひとつ、哀れな魔理沙に私がある言葉を教えてあげるわ。」

そういうと、ニタァっと笑う。
そして、
境界「二重弾幕結界」
とつぶやく。
現れる、今までとはケタはずれなくらいのパワーの弾幕。

「―卑怯汚いは敗者の戯言、よ。」

「おまえほんと最悪だな!!」

叫びながらもしっかりと弾幕を避けてくれる魔理沙。
どうしよう。とってもめんどくさい事態にまきこまれたよなこれ。

「おい絵奈！空中で器用に絵かいてる暇あったらほうきによじのぼってほしいんだけど！？」

「インドア派の体力なめんな(キリッ)」

ぶら下がりながらうまく膝を下敷き代わりにし、ささっと盾をかきあげる。

「できたー！これで効かなかったらこの盾燃やす。」

紙をやけくそに宙に投げつけ、意識を集中する。
紙は、細くほぐれていき、広く宙に広がり魔理沙と霊夢の視界をさえぎる。

「紙！！ぜっっったいに攻撃を通すんじゃねえぞ！！！！」