【東方Project】～少女の幻想郷見聞録～ (ページ7)

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一章　　まだ無題　～Ⅰ～ページ7

「おい。大丈夫か！?起きろ!!」
ゆさゆさと揺さぶられる。
しぶしぶ目を開ければ木漏れ日が目にしみ、うめく。
「…起きたか！おい、大丈夫か!?」

浮遊感が抜けきらず、ぽわぁっとした意識のままうなずく。
「よかった…！そうだ、名前は？
ああ、私は霧雨魔理沙だ、よろしくたのむぜ。で、名前は？」
『……緋月、絵奈。』
「ん。わかった。よろしくな絵奈。」

二カっと笑い手を差し出してくる魔理沙。
半コミュ障←の私は、いつもなら無視してそっぽを向いていた。
でも、そのときの私は自然に手を掴んでいた。まるで何かに引き寄せられるかのように。

「で、絵奈は何してたんだ、こんなとこで。幻想郷は平和だからって油断してると妖怪とかに喰われるぜ？」
『喰われ…ッ！？』
目を白黒させていると、驚いたように魔理沙は言う。
「だって絵奈は外の世界から来たんだろ？ここに来るまでに妖怪とかに会わなかったのか？」

『いや、妖怪って…。現代日本にいるはず無いだろ？』
冗談だろ？と苦笑いする。
「まぁ、いるんだよここには。妖怪とか神様とか月人とか。魔法使いとか。」
…なんか、信じがたいというか…。
「その顔はしんじてないなぁ。どうするべきか悩むぜ…。」
魔理沙は頭を軽く掻きながらため息をつく。
「まあ、まずは霊夢のとこｎ…!?」
言葉の途中で魔理沙は何かを感じたようにビクッとなり、振り向く。
振り向きながら魔理沙に突き飛ばされ、魔理沙も私とは別方向に跳ぶ。
ダダダダダッ。と音を立て、さっきまで私たちが立っていた場所に突き刺さる大量の光弾。

「魔理沙、こんなとこで何をしてるの？」

上空から聞こえる冷ややかな声。反応して上を見上げれば、宙に浮かびながら弾幕を放とうとする、赤と白が基調の少女。
そして、その傍らに浮いている、尻尾九本で狐耳を生やしている少女。
あれか、九尾の狐ってヤツか。

「…その娘が、今回の異変の原因みたいね。
あなた、結界緩めてやって来たなら直してきなさいよ、色々バランス崩れて大変なのよ。
もぉ、紫も藍を送ってきただけで結界直さないし。」

はぁ、とため息をつき、藍を横目で見る。
「紫さまは用事があるんですよ!!だから来れないだけで、霊夢さんが邪推しているようなことは…!!」

はいはい、と手をひらひらと振り受け流すと、霊夢はだるそうに口を開いた。

「だから、緩くした本人に結界を直してもらいにきたのよ。
緩めたからには直せるでしょう？」

いきなり言われ溜息をつき、答える。