【東方Project】～少女の幻想郷見聞録～ (ページ4)

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序章　非日常ハ突然ニ　～Ⅲ～ページ4

『誰が許すかよ、ばぁか。』
笑いをこらえながら、でこピンでおでこをはたく。うん、石だからとても痛い。
〔ぅえぇえ！？まじっすか；；〕
おでこをおさえながら困ったように言う狛犬。
『あーもー冗談だってばｗそんな困んなって。』
ぽんぽんと頭を軽く叩いて笑いかける。いつもいつもコイツはからかうと面白いんだ。
〔あ、てかはやく妹も動かしたげて嫉妬で呪い殺される；；〕
狛犬汗かきすぎじゃね？

『はいはい、狛犬ちゃんを動かしたげるんだな？』
もう片方の狛犬に手を載せ、念じる。もちろん下僕じゃなくて友達で念じましたよ、はい。
風が吹きぬけ、狛犬の目が開いた瞬間、体当たりに等しい勢いでぶつかってきて、頭をすりすりしてくる狛犬ちゃん。
〔ねぇさんんんん!!絵奈ねぇさんマジお久です!そして超愛してます!あまりに来ないからお兄に嫌がらせしてうさばらしするしかやること無かったじゃん！〕
さらっとつっこみどころが爆発してるような台詞をいただいちゃったどうしようほんと。

『えー…と？お兄ちゃんには優しくするべき、じゃないか？』
とりあえず、つまりながらも返した私を見て、狛犬ちゃんは眉をひそめる。
〔おい馬鹿兄貴。絵奈姉さん困ってる。お前のせいだろなんとかしろよ、あ゛ぁ!?〕
〔え何それ、ちょ、ちょちょっ、おねがいその関節はそっちに曲げられ…イダダっ!!〕
理不尽だけど、(たぶん)私のために怒って、狛犬をボコってくれる狛犬ちゃん。
ふと今朝の夢に出てきた女が、私に笑いかけた気がする。怒ってくれてる姿を重ねて、気分が悪くなるぐらいモヤモヤする。
〔ああぁあ、機嫌悪くしないでくださいいいぃいい；；〕
たまらず、ひとつ舌打ちをする。と、ほんとに機嫌が悪いのかと勘違いした狛犬が、あわてたように提案してくる。

〔じゃ、じゃあこの神社のご神木様と話してみませんか!?
裏の森の奥に居るんですよ。
人間大嫌いだし、きっと話し合うはず!!〕
人間が大嫌い＝人と関われ無い。
―つまりはテメェは俺がコミュ障だとでも？
そう叩きそうになったのをこらえ、むりやり笑ってみた、つもり。
〔絵奈ねぇさん顔むちゃくちゃ怖いですッ！！かっこいいですけど///〕
いやまあ無理だったわけなんだけど。。

結局、蹴る殴る石を投げつけられるなどの鉄拳制裁と言う名の八つ当たりを受けてしまった狛犬君は、妹ちゃんに転がされながらご神木のところに案内させられるのでした。

嗚呼、不憫。だが愉快ｗ←