【東方Project】～少女の幻想郷見聞録～ (ページ3)

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序章　非日常ハ突然ニ　～Ⅱ～ページ3

食べ終われば、今日は何をしようかと考える。
しかし、特に何も思いつかず、自室に戻ることにする。

ベッドに腰掛け、ボーっとしてみる。
視線の先にあるのは、もう入学してから一年以上たつというのに、入学式以来一度も着た事のない高校の制服だった。
別に、入学初日からいじめられてるとか言う、なさそうでありがちな理由で不登校してるわけじゃない。
ただ単純に、ここは自分がいていい場所ではないと思ったから、それだけだ。
中学校でもそう。いきなり、居場所が跡形もなく消え去ってしまった。
頑張っても無駄なんだよ、結局は。

その後も特に何をする気にもなれず、外を散歩することにした。
クローゼットからＴシャツとパーカーとジーンズを掴み、さっさと着替える。
机の上のメモ帳とペン、そして、少し躊躇してから、もうひとつピンク色のメモ帳を掴むと、パーカーのポケットに入れながら玄関まで行く。

スニーカーをはいた後、返事が無いことはわかっていても、とりあえず
『いってきまーす…。』
と、つぶやきドアを開ける。

別に、学校に行ってないだけで私は引きこもりじゃない。
気分転換に外ぐらい出たくなる。

いつもは読書をして一日を過ごし、外に出るのは稀なため、久しぶりの日光は気分がよかった。
近くの神社まで走ってみる。外に出るときは必ず行く場所。
この神社は神主さんがほとんどいないことを知っているからだ。
あまり人と関わりたくない私にぴったりの場所。

長い階段を二段飛ばしでさっさと上り、鳥居をくぐる。
形だけおまいりをして、本命の狛犬のそばに。

二体の狛犬は、荘厳な顔つきのままじっと動かない。
片方の狛犬の頭にそっと手をのせ、目を閉じて念じる。
《さぁ、わが力を持って貴方に命を与えてやる。下僕となり私と語りなさい。》
心の中で念じる。まぁ、ぶっちゃけ言葉なんて何でもいい。念じることが大切なのだ。
目を瞑っているから詳しいことはわからないが、周りの空気が渦巻く。

〔ちょｗｗ下僕ってｗｗ何気に絵奈姉さんＳですよねｗｗｗ〕
声が聞こえて目を開ければ、ドヤ顔のようなバカにするような顔をして私を見ている狛犬。
ぴょんっと台から飛び降り、そこらへんを駆け回る。
『おい、無駄口だけは減らないのな、お前。命返してもらおうか？』
〔まじすいません久しぶりに動いたんで深夜っぽいテンションゆえの過ちというかともかくマジすいません勘弁してくださいほんとに。〕