後ろの席の元気くん

Prolog... ページ1

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a.m.8:00




月曜日、学校に近づくにつれ学生達の声がガヤガヤ聞こえてくる。



みんな元気いいなぁ、月曜なのに。



まだ完全に起きてない身体を少し伸ばして深呼吸をする。朝特有の香りが鼻を掠める。



うん、いつもの朝だ。






いや、いつもの朝より少し気分がいいかな？今日はいい事ありそう、なんつって。



ちょっとのほほんとしながら教室へ行くための階段を軽い足取りで上がる



途中、寝癖をつけて眠そうに歩く後ろ姿を見つけた。あれは祐基くんだな、多分。






「祐基くんおはよう！」



「おわ、おはようAちゃん！」






少しビクッとして振り返ったのはドジっ子で有名な村田祐基くん。






「もー、にょろーっと近づいてくるからびっくりしちゃったじゃん！」



「そろーっと、でしょどんな間違え方なの」



「いいの！そんなことより知ってる？今日HR席替えするらしいよ！たぶん！」



「え、ほんとに！？」






急な"席替え"というワード。学校生活を送る中で"席替え"と聞いてテンションが上がらない者はいないだろう



少なくとも私はめちゃくちゃ嬉しい。






「Aちゃんと僕、脱最前列になるかもね！」






そうこの私、一番前のど真ん中の席になり3ヶ月。非常に辛かったのだ。



祐基くんも1番前でお隣さん。祐基くんがいなかったら私はきっと最前列で白目を向きながら授業を受けることになっただろう。



初めましてだったのにたくさん話しかけてくれてありがとう、祐基くんと祐基くんのコミュニケーション能力…悲しいけど…






「また逢う日まで…」



「…？なんか言った？」



「え？いや、なんでもない！」



「そ？いやー、にしても今日はいい日だねー！ハッピー！」






ちょっとうるさい祐基くんを横目に、登校中の予感は間違ってなかったなぁ、なんて思った。









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