同情と恋心 2 (ページ27)

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別々の家ページ27

――夜――

(玉森)「ね、今日は家帰んの？」

「はい。やっぱりこのままお世話にはなれないので…。」

(玉森)「ふーん。俺寂し～……ﾆﾔﾘ」

少しふざけて甘えてきた。

「裕太さんは昨日まで1人でしたよね！(笑)

そんな顔しても私は帰りますよ！！(笑)

私も着替えとかないですし、帰らせてください！」

(玉森)「分かったよぉ～。

じゃぁ、今日は帰っていいけどこれから毎日俺ん家泊まりに来てね？」

「そっ、そんな！無理ですよ～(笑)

裕太さんはさっきから冗談が過ぎます！」

私がそう言って少し突き放すと、玉森さんは少し真面目な顔して、こう言った。

(玉森)「ね、でもさ、俺と付き合うとなかなか外出れないじゃん？

そしたら必然的にこのうちに来ることも多くなると思う。

でも、このうちに出入りするのも危ないと思うし、だから、俺、割と真面目に考えた結果さ、一緒に暮らさないかなって思って。

毎日出入りしてたらこのマンションに住んでる人だって思ってもらえるし、俺としては付き合いやすいのかなって。

あと、俺が寂しくてずっと一緒にいたいの。

Aちゃんにはハードル高いかもしれないけど、これはほんとにお互いのためでもあるかなって俺は思ってて、だから、ちょっと考えて貰えたら嬉しいな！」

玉森さんは凄く真面目な顔だった。

だから、私は頷くしかなくて、その後少しだけ話し合って、何日間かだけ時間置いてから、同棲することになった。

そして、私は帰る準備を始めた。

「お世話になりました。

また、数日後にはここでお世話になりますけど…！(笑)

あの、また電話とかしてもいいですか？」

帰るとなると寂しくなってきて思わず彼女っぽい提案をしてみた。

(玉森)「えっ！うん！もちろん！！

なんか照れるね(笑)Aちゃんからグイッと来られると俺照れちゃう(笑)

ふふっ(笑)」

そう言って少し照れた顔して私を見てきた。

その玉森さんの照れた笑顔を見て私も自然と笑顔が零れた。

(玉森)「ごめんね、家まで送れなくて。

また帰ったら連絡して！心配だから！

…ん、じゃぁ、またね！」

「はい！

ありがとうございました！

失礼します！」

そう言って、私は玉森さんの家を出た。

帰りのタクシーから見る都会の夜景はいつもより輝いていた。

それと同時に私の心がバレそうで人とすれ違うのが少し怖かった。

それでも玉森さんを胸に抱えながら自宅へと帰った。