同情と恋心 2 (ページ26)

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お家デートページ26

玉森side

Aちゃんはすごく素直だから、喜怒哀楽がわかりやすい。

だけど、たまに何考えているのか掴めない時がある。

朝から、多分だけど、俺にゾッコンでずっと傍にいた。

俺がくっつくと、

(A)「近いです～！やめてください～！！」

って言うくせに嬉しそう。

俺が少し離れたところに行くと、様子見に来て

(A)「何してるんですか？」

って結局傍にいた。

多分俺の思ってた以上にAちゃんは寂しがり屋さんなのかもしれない。

普段はしっかりしてて、1人でも暮らせそうな強い女の子感があるのに、やっぱり甘えれる場所がないとダメなんだろうなって思った。

そんなAちゃんが愛しかった。

でも、Aちゃんと付き合う上で俺が不安だったのが、俺といることで、外に出たり出来ないことだ。

家の中で出来ることには限りがある。

いつかはやっぱり外でのデートをしたいだろうし、俺だって、外で手を繋いで歩きたい。

Aちゃんは俺と付き合ったことを後悔しないだろうか、お家デートしか出来ない彼氏を受け入れてくれるのだろうか。

そんな不安がずっと俺の中で渦巻いていた。

だからこそ、まだお互いのこと知らないことだらけだから、家の中で沢山お話しようと思った。

そして、その会話で少しずつAちゃんの心を開いていけたらいいなと思っていた。

すると、割と序盤から俺の作戦通りになった。

趣味の話の時に少し俺が意地悪な言い方をすると、Aちゃんは今までに見たことない少し怒った表情をした。

そして、少し強気で発言してきた。

今まで、Aちゃんはふわっとしか喋らなかったし、怒ることなんてなかったのに、俺の前で初めて少しだけど怒ってくれた。

俺はなんだか嬉しかった。

Aちゃんが少しは遠慮せずに俺と喋ってくれていることに感動したのだ。

しかも、その後にさりげなく

「俺の方がいいんだ？」

と自過剰発言混ぜても、少し顔を赤らめて素直にうん。と頷いたのだ。

そんなAちゃんが愛しかった。

そして、俺はAちゃんの少し照れた顔を両手で挟んでこっちを向かせ、こう言った。

「俺から離れんなよ？分かった？」

すると、

(A)「分かってます…

だから…

……裕太さんも私から離れないでください。」

そう言われて、俺はまだまだAちゃんの中の不安を取りされてないと痛感した。