同情と恋心 (ページ30)

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休憩時間ページ30

私はさっきまでステージでキラキラしていた北山さんが目の前に来たことに緊張しすぎて、固まってしまった。

(北山)「よっ！

久しぶりじゃんね！元気してた？(笑)

多少はこの仕事慣れてきた？こんなにたっくさんスタッフさんいるけど、それでもやること沢山あるからねぇ、」

「そ、そ、そうですね！

でも、今は出来ることないので、見させてもらってますけど…！

あ、あの！まだリハ中じゃないんですか？ここで喋ってても大丈夫なんですか？」

(北山)「ん？俺？

今休憩に入ったからさ！」

確かに周りを見渡すと、みんなそれぞれに散っていた。

その中に玉森さんの姿も。

玉森さんが私とは逆方向に行く姿を見ながら、少し安心してため息をつくと、北山さんが何かを察したように私の顔を覗き込んで少し笑った。

(北山)「ははぁん、なるほどねぇ(笑)」

「えっ？、な、なんですか……！？」

(北山)「いやぁ、なんでもないけど、

とりあえず、今度また俺らの食事会来なよ！

んでさ、誘うのに、会えなかったら困るから、LINE交換とかして大丈夫？(笑)」

「えっ、！！！！

あっ、あの、、、

ジャニーズさんなのに、そういうの大丈夫なんですか？」

(北山)「だって、Aちゃんスタッフだし？

何もやましいことなくない？(笑)

あっ、もしかして嫌だった？」

「いや！そういう事じゃなくて…！！」

(北山)「じゃぁ、決まりね！

今、携帯出せる？」

そう言われて、私は北山さんの言われるがままにLINEの交換をした。

(北山)「よっし、これでいつでも連絡取れるね！」

そう笑顔で言ってくる北山さんに私は、素直に今思っていることを、聞きたいことを全部話してしまいそうだった。

玉森さんにドキドキしてしまうこと、玉森さんとだけちゃんと話せないこと、玉森さんってどんな人なのか、玉森さんって彼女さんがいるのか、玉森さん、玉森さん、、、って

とにかく、玉森さんの全てを聞きたかった。

だけど、迷惑なの分かってたし、

ただのファンと同じ気持ちなのかなって思ったから、言わずに心に閉まっておいた。

【たまたま近くにいるファンの1人なんだから、抜け駆けは良くないよね。

ファンのみんなは本当の玉森さんをなんにも知らないのに、損得関係なく応援してるんだから。

私もそうならなくちゃ。】

自分にそう言い聞かせた。