同情と恋心 (ページ16)

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攻めてみたのに… ページ16

玉森side

食事会の間、隣の彼女がずっと気になっていた。

彼女がほかのメンバーを見て笑っているとなぜか安心した。

でも、少しだけ寂しかった。

【さっきから、俺、めちゃくちゃ勇気振り絞って話しかけてきたんだけど、Aちゃん俺の事全然意識してない感じだよね、、

てか、なんで俺こんなにAちゃんのために頑張ってるんだ？(笑)

普段はメンバーといるとそんなに出しゃばって仕切るような感じじゃないのにさ、、、】

その時、時計を頻繁に気にする彼女の姿が横目に映った。

つられて俺も手元の時計を見た。

【あっ、もうこんな時間か～、

女の子だし、明日も仕事あるだろうし、さすがに帰りたいよね、

もしかして、言い出しづらいのかな…、】

「時間大丈夫？」

そう小声で彼女だけに聞くと、やはり彼女は帰りたかったようだった。

「じゃぁ、俺と一緒に帰ります？」

俺は勇気を振り絞って彼女を誘ってみた。

だけど、彼女が申し訳なさそうな表情をしていて、俺は振られそうになった。

だから、急いで彼女の言葉を遮るように俺はメンバーに帰ることだけ伝えて、帰る準備を始めた。

その後、店を出る前に俺は彼女と2人で帰るのに気合い入れをするためにトイレへ駆け込んだ。

深呼吸をして、鏡に映る自分を見つめて気合を入れた。

トイレから出ると彼女が俺たちにバレないようにお金を払おうとしていた。

【こんなの俺らに払わせてくれればいいのに。】

俺はそんな彼女を見てかわいいなと思った。

だけど、このまま彼女に払わす訳には行かないので、スっと彼女と定員さんの間に入って、アイドル顔で彼女を見つめ、説得した。

こういう時にアイドルを使っちゃうのはずるいなと思いながらも、彼女がなかなか譲らないから、俺は仕方なく最終手段を使ったのだ。

お店を出てからも少し攻めてみた。

「女の子一人でこの時間に帰らせられないよ、(照)」

とか、

「彼氏とかいたりする？」

とか、、、

俺は割と攻めたことを言っているのに、彼女は人見知りのガードが強くて、一向に目が合わないし、ずっと他人行儀で気を使っているようだった。

【俺がこんなに言っても揺るがない女の子って珍しいな。。。

逆にここまで来たら心開かせてみたいわ(笑)】

俺はなかなか心を開かない彼女をいつか振り向かせてみせるんだ！と心に火がついて、もっと彼女に興味を持った。