同情と恋心 (ページ44)

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変わらなきゃ！ページ44

玉森さんのLINEの返信にすごく戸惑った。

本当は玉森さんともっと話したいし、いろんなことを知りたいから、食事に誘われて嬉しかったし、行きたかった。

けど、北山さんと違って、玉森さんとは簡単に2人きりの食事に行ってはいけないと本能的に思った。

ここで行ってしまうと、ファンとしての好きじゃなくて、リアルな好きになってしまうと自分の中でストッパーが掛かったのだった。

【でも、北山さんが言ってた。

ファンも彼女になる女の人も同じ好きには変わりない。ただ、出会うか出会わないかの違いだって…

でも、玉森さんに好かれる自信はない。

けど、今頑張らないと後悔しちゃうかな…

このままだと、今までのダメダメな私と同じだよね。

今、玉森さんが手を差し伸べてくれているのに、それを振り払っていいのかな…。】

私はすごく悩んだ。

私はまだ玉森さんのことを本気で好きになる覚悟がなかった。

本気で好きになってもどんなファンよりも近くにいる分辛いだけ。どんなに好きでも届かない存在には変わりない。

そう思っていた。

【だけど…

このまま断ったら今までの自分と一緒になっちゃう。

こんなに恵まれた環境で、滅多にないチャンスを、私は貰っているのに…

私、男の人に強くならないと。

当たって砕けろだよね、！！】

北山さんと色々話すうちに私は恋愛に対する考え方が少しだけ変わっていた。

だから、私は玉森さんと2人で食事に行くことを決意した。

そして、

「ぜひ、行かせてください！

私も玉森さんのこともっと知りたいです。」

そう送った。

すると直ぐに既読が付き、焦って画面を閉じた。

【落ち着け、自分。

頑張るんだよ。だって相手は玉森さんだもん！

私は一般人の女の子。

叶わないのは分かってること。

でも、後悔しないための一歩だから！！

これからの私のための一歩だから。】

そう言い聞かせながら携帯を握っていると、

ピロン♪

玉森さんからの返信が来た。

(玉森さん)「ありがとう！嬉しい！！

正直断られるかなぁって思ったけど、良かった！笑

俺もAちゃんのこともっと知りたいな♪

俺は夜なら割と空いてるから、日にちはAちゃんに合わせるよ！」

玉森さんの言葉は私にはすごく綺麗に見えた。

全てが素直で、綺麗な心がそのまま写っている感じ…

私はそんな画面越しの玉森さんに恋をしてしまっていた。