話しやすい ページ40
(北山)「へぇ、そうなんだ、
じゃぁさ、俺って男って見られてない感じ？
(笑)
俺とは2人で食事出来たもんね？ふふっ(笑)」
「あっ、そういう意味じゃないです！！」
北山さんの空気の作り方が上手くて、つらつらと喋ってしまったことに少し焦った。
でも、北山さんはバカにする態度でもなく、しんみりする空気でもない、すごく居心地のいい雰囲気を作ってくれた。
だから、北山さんに聞いてもらいたい、というか、すごく喋りやすくて全て話して頼って甘えてしまいそうだった。
だけど、出会って間もない北山さんには甘えられない！
今までも周りの男性に頼ったことはなく、一人で考え、解決してきた。
そうやって強い女として立ってきた。
自分を奮い立たせ、また会話を始めた。
「で、こないだ言ってた私に聞きたいことって何があったんですか、？」
(北山)「んー、なんというかね、
簡潔に言うとさ、今好きな人とかいるの？
あっ、変な意味じゃなくて、これから話進めるのに聞いておきたくてさ！」
「えっ、あっ、いや……」
私は言葉が詰まった。
頭には玉森さんが浮かんだ。
【でも！玉森さんはファンとして好きなだけ！
リアルな恋とは違うんだから！！】
そう言い聞かせた。
「い、いや！いませんけど…？」
(北山)「そう？なんかそんな感じには見えないけど？
ふふっ(笑)
俺はさ、別に誰にも言わないし、ちょっとそこ聞かないとここから先Aちゃんのために話せないなぁって、」
「えっと、でも、私、恋とかわかんなくて…
自分でも好きなのかそうじゃないのかほんとに、分からなくて…」
また素直に悩んでいること話してしまった。
(北山)「そっか〜、確かにね、難しいよね、
じゃぁさ、前嵐さん好きだって言ってたじゃん？
誰のどこが好きだったのかとか言えそ？」
「えっと、翔くん、あっ、櫻井さんが好きでした、！」
(北山)「俺の前だからいいよ、普段の呼び方で(笑)」
「すみません、
よく翔くんは賢いから人を見下してるって言ってる人いるんですけど、本当は全然そうじゃなくて、優しいんです。すっごく。
ファンのこと見てないようでちゃんと見ててくれるし、
どんな人でもバカにせずに一人の人として受け入れる大きな心持ってるんです。
こんな私でも認めてくれそうで…。
自分を守る優しさじゃなくて、相手のための優しさがあるんです。」
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作者名：かなた | 作成日時：2019年7月3日 14時
