＊はじめてーの 2 ページ6
「いやまぁ、ここの生徒は皆魔法が使えますけど……というか使えないと困りますが」
「魔法！ 魔法が使えるんですか！ すごいです、本物の魔法使いがいらっしゃるんですね！！」
「秋田さんの地元には、魔法が使える方はいらっしゃらなかったんですか？」
「はい！ 魔法がほんとに存在しているなんて、今の今まで知らなかったんです」
「なるほど……」
ふむ、とアズールは考える。
いくらへんぴな土地と言っても、本当に魔法を知らないなんてことがあるだろうか。生活の中で魔法は必要不可欠な要素。魔法道具に頼るところがほとんどだが、これぐらいの年になるまで魔法に触れずに育ってきた……と、なると。
ある仮説がアズールの中で確立する。この間約0.05秒。アズールは大変頭の回転が速いオクトパスなのである。
「ってことは、アズールさんも魔法を使えるっていうことですか！？」
「……え？ ええ……それはもちろん！ なにせ僕はこの学園でもトップを争う秀才ですから。ほら、このように＿＿＿＿」
アズールはマジカルペンを一振した。自分に向けられたそれに一瞬警戒心を表した秋田くんだったが、そこから現れたものに思わず瞠目する。
空気中に現れたのは水だった。
水の塊である。それをアズールが指でつつくと、ぽちゃん、と音をたてて、魚の形をした水が分裂した。
優美に空中を泳ぐそれは、秋田くんの周りをくるりくるりと弧を描いて回る。秋田くんが人差し指でその魚に触れると、くすぐったそうにその身を捩った。
うっとりとそれを眺めていた秋田くんは、アズールがぱちんと指を鳴らしたことで現実に引き戻される。その音と共に魚はゆっくりと空気中に蒸発していった。
「どうです？ なかなか美しいでしょう」
「すっ……」
「す？」
「すっっっ〜〜ごいです！！！！！」
「……そ、そうですか」
空色の瞳に星が瞬く。ぷっくりとした頬っぺたを赤く彩って尊敬の眼差しを向けてくる少年に、アズールは情けない声を返した。圧倒的光属性。やっぱり闇属性の彼には効果てきめんである。
アズールは人差し指でズレてもいない眼鏡を直す。
「まぁこの程度の魔法、エレメンタリースクール程度のものですが。気に入ったのならいつでも見せて差し上げますよ」
「本当ですか！ 」
「ウッ」
やっぱり闇属性は光属性に打ち勝てない。目の前の小動物を撫で回したい気持ちをアズールは死ぬ気で抑えた。
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源ペトラ(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» うわわわ……暖かいお言葉ありがとうございます……！そこまで言って頂けるなんてとても嬉しいです！リアルが多忙なので中々更新できてませんが、無理しない程度に頑張りたいと思います！ (2021年1月17日 23時) (
レス) id: 68a62d33ef (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ - 源ペトラさん» いえいえ、わたしもある小説を書かせていただいているのですが、内容を考えるのって大変ですよね(*-ω-)亀更新でも楽しみにしています!!ご自分のペースで無理しない程度に頑張ってほしいです（上から目線と感じたらごめんなさい） (2021年1月17日 9時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
源ペトラ(プロフ) - ありがとうございます！ 相変わらずの亀更新で申し訳ないです(^_^;) (2021年1月16日 11時) (レス) id: 68a62d33ef (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ - わわ!!更新してる!?やばい、秋田くんかわいすぎる……(/-＼*)アズールとの掛け合いも好きです!!! (2021年1月12日 17時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
源ペトラ(プロフ) - コメントありがとうございます！ 秋田藤四郎の可愛さは無限大ですよね(*´∀｀*)スローペースな更新ですが頑張っていきたいと思います！ (2020年10月16日 21時) (レス) id: 67cc6ebdc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：源ペトラ | 作成日時：2020年10月13日 0時
