番外編8 ページ43
でも考えてみると、彼女には彼女の恋があって、自分の恋を叶えようと頑張ってるわけじゃん？
そこにおれが入るってことは、彼女の恋路をおれがじゃましてるってことになる…よね？
そっか、自分の恋を優先すると、彼女のこと無意識に傷つけちゃうんだ。
待って、それってあれだ、
おれの恋と彼女の恋は、
一緒に叶うことはないんだ。
『そう、そのままこっち！』
周りのひとが応援してるから、おれもちっちゃな声で頑張れーって言って待ってた。
ほんとは思ってもないくせに。
ほんとは早く失恋して諦めちゃえーなんて思ってる。
はいはい、好きなひとの幸せも願えないなんて、最低な男だってことは分かってますよ。
でも仕方ないじゃん。
『こっ、こっちでいいんですか？！』
そうやって子どもみたいに笑う。
笑って手を前にひらひらさせながらゆっくりこっち向かってくる彼女見てたら、おれ知らないうちにおっきく手、広げて待ってた。
そう、こっちだよ。
そのままおれのほう、まっすぐ歩いてきてよ。
他のひとなんて見ないでさ、おれんとこ歩いてきてよ。
おれはね、彼女の笑ったかおが好きだよ。
だからいつでも笑っててほしい。
でもその反面、その笑顔を好きなひとにも見せてるんだって思うと、なんかたまらなくなる。
ほんとは他のひとに見せたくない。
おれだけのもんじゃないし、むしろおれのもんじゃないって分かってる、分かってるけど無性に、この笑顔をひとりじめしちゃいたいって思うことがある。
だから本当は彼女の好きなひとなんて無視して、奪ってやりたいくらい好き。
でもそうしたらきっと、困らせちゃうんだ。
そっか、わかった。
なんでおれ告白できないんだろうって。
こわいんだ、困らせるのが。
彼女の困ったかお、見たくないんだ。
おれが好きって言ったら、彼女はたぶん困るから。
困ったかおしてあやまるの、絶対分かるから。
あー、ダメだダメだ！
そんなかおだけは絶対させたくないもん。
それならいいんだ、彼女が楽しく笑えなくなるなら、自分の気持ちなんて言わない。
他のひとに笑いかけていい、その方が彼女が幸せなら、おれはそっちでいいや。
こっちの石につくと同時に、すぐ目を開けようとする彼女より先に、ずっと広げてた手を急いでひっこめた。
あっぶな！
もうちょっとでバレるとこだったわ。
うん、
おれの気持ちなんて、伝わんなくていいよ、
彼女の笑顔と引き換えに、おれの恋なんて消えてしまえばいいよ。
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なつめ(プロフ) - こ、これは…！！ぷちゅぷちゅみったんやないですか！！！ (2014年8月23日 22時) (
レス) id: a7c524f94d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりぃ - たまろんさん…！たのしみにいつも読ませてもらってます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2013年10月1日 23時) (レス) id: 5a7ae76fae (このIDを非表示/違反報告)
はるちむ - やば！もう妄想止まらへん！たまろん最高や！たまろん大好きや！ (2013年9月29日 19時) (レス) id: 0408402c94 (このIDを非表示/違反報告)
ちなぷー玉LOVE(プロフ) - たまろんさんの小説たまりません(///∇///) (2013年9月29日 17時) (レス) id: f9830a92f7 (このIDを非表示/違反報告)
みぃたろ(プロフ) - たまろん最高！だいすき！愛読するね！笑 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 78b789d802 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みい | 作成日時：2013年9月25日 1時
