番外編6 ページ41
『玉森先輩は、好きな人いるんですか？』
入学してから玉森先輩のことを好きだと言う人は何度も見てきたけど、それと反対に玉森先輩が好きだと言う人の名前は全く出て来なくて、噂すらなかった。
北山先輩によると、高校の時は部活少年で恋愛沙汰は一切なかったし、大学に入ってからは彼女1人いたこともなかったそうだった。
だからきっと好きな人もいないだろうなぁ、と思ったし、もしいたとしてもワタシになんか教えてくれないと思ってたから、すごくプライベートなはずの質問もなんだか気軽に聞いてしまっていた。
それくらい表面フランクに振舞わないと、宿に帰るまで心臓が持たないと思ったから。
だって玉森先輩と目が合うだけでワタシもう心臓が止まりそうで、このまま死んでしまいそうだった。
『いるよ。』
玉森先輩の口から出たのはその三文字で、その意外な返答にびっくりして、すぐには言葉が出なかった。
『い、いるんですね！初めて知りました！』
そしてその言葉が出たと同時に知る重み、好きな人には、好きな人がいるという事実。
なんだろう、勝手に安心していたのかもしれない。
誰のものでもない、アイドル化された彼のことだから、きっと誰に好意を寄せたり、誰のものになるとか、そういうのが考えられなかった。
だからこそ自分は陰で玉森先輩のことを好きでい続けることが出来ているんじゃないか。
伝わらない思いだからこそ、思い続けられていたんじゃないかな、って。
そうか、わかった。
嫌われたくないんだ。
こんな可愛くもないただの後輩に好きだと思われて、
嫌だと思われるのが嫌だったんだ。
『そーだね、おれも初めて人に喋ったかもしれない。
でもね、好きな人がいるみたいなんだよね、その子。』
みんながかっこいいと言い、好きだと言う人はたくさんいる彼のことだから、好きになったらすぐに付き合うとか、そういうもんだと思っていた。
でも違ってた。
そう、
好きな人に好きな人がいる、
それはたった今作られた
ワタシと全く同じ状況だった。
好きな人に好きな人がいるって、どういう感じ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - こ、これは…！！ぷちゅぷちゅみったんやないですか！！！ (2014年8月23日 22時) (
レス) id: a7c524f94d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりぃ - たまろんさん…！たのしみにいつも読ませてもらってます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2013年10月1日 23時) (レス) id: 5a7ae76fae (このIDを非表示/違反報告)
はるちむ - やば！もう妄想止まらへん！たまろん最高や！たまろん大好きや！ (2013年9月29日 19時) (レス) id: 0408402c94 (このIDを非表示/違反報告)
ちなぷー玉LOVE(プロフ) - たまろんさんの小説たまりません(///∇///) (2013年9月29日 17時) (レス) id: f9830a92f7 (このIDを非表示/違反報告)
みぃたろ(プロフ) - たまろん最高！だいすき！愛読するね！笑 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 78b789d802 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みい | 作成日時：2013年9月25日 1時
