スピンオフ5 ページ34
そう、家には誰もいない。
今日だけじゃない。幼い時から毎日そう。
母親は私が小学生になる頃に病気で他界した。
一人っ子の私はそれから父親と二人で生活していた。
でも父親は仕事が忙しく、ほぼ仕事場で寝泊まりしている。
幼い頃はさすがに家から通っていたが、毎晩私が寝てから帰宅し、私が起きる前に家を出発していた。
毎朝起きるとお金だけがテーブルに置いてある、それだけ。
ろくに会話もない家庭だった。
だから私はこんなにも冷たい人間に育ってしまったのだろうか。
『母親は小さい頃に死にました。父親は仕事で帰ってきません。だからいいんです。』
そう冷たく言う。
今までも家庭のことについては色んなこと聞かれた。
だから返答には慣れていた。
こう答えるとみんな、『かわいそう』って言う。いつもそうだった。
きっと北山先輩もかわいそうって言うんだろうなって思った。
『なつさん、』
ほらきた。
『…寂しかったでしょ？』
え？寂しかった？
そんなこと言われたことなかったから、
つい動揺する。
『ずっと家の中で一人で、寂しかったでしょ？』
『そ、そんなことないです。一人には慣れてますから。』
動揺を隠すようにして北山先輩の言葉にかぶせるように言うけど、寂しかったという単語が頭の中を巡る。
『なつさんは一人じゃないでしょ、いつもそばにいてくれる人、いっぱいいるじゃん。』
そう言うとまたキラキラした笑顔でこっちを見てる。
『でもさ、寂しかったら我慢しなくてもいいんじゃない？もっとみんなに頼ってもいいんだよ、なつさんのこと、みんな大好きなんだから。』
ねぇ北山先輩、
私、ほんとはきっと、寂しかったんです。
親に愛されてない家でいつも一人で、
こんな性格だから友達作るのも大変で、
いつも一緒にいた親友は私よりも大事な人を見つけて、
私、この世に必要とされてない気がして、
愛されてないと思ってました。
一人に慣れて、それが当たり前だと、
それを自分に言い聞かせることで自分を保ってた、
寂しいなんて感情はしまい込んでた、
一人で生きていくためにはそんな感情、
必要ないと無意識に思ってたんです。
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なつめ(プロフ) - こ、これは…！！ぷちゅぷちゅみったんやないですか！！！ (2014年8月23日 22時) (
レス) id: a7c524f94d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりぃ - たまろんさん…！たのしみにいつも読ませてもらってます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2013年10月1日 23時) (レス) id: 5a7ae76fae (このIDを非表示/違反報告)
はるちむ - やば！もう妄想止まらへん！たまろん最高や！たまろん大好きや！ (2013年9月29日 19時) (レス) id: 0408402c94 (このIDを非表示/違反報告)
ちなぷー玉LOVE(プロフ) - たまろんさんの小説たまりません(///∇///) (2013年9月29日 17時) (レス) id: f9830a92f7 (このIDを非表示/違反報告)
みぃたろ(プロフ) - たまろん最高！だいすき！愛読するね！笑 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 78b789d802 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みい | 作成日時：2013年9月25日 1時
