ケモノである私は今日も奮闘する。１【怪物事変】 (ページ48)

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第四十七話「先輩と後輩と弟子」ページ48

アキラくんが夏羽くんに弟子入りするらしい。唐突すぎてワロタ。

えっ、夏羽くんに……？と目をパチクリさせる私をよそに、アキラくんはカワイイと頼もしいを両立した男の子、通称「カリフォルニア巻き男子」になりたいんだとか。なんじゃそりゃ。

しかも何を教わるのかは師匠、つまり夏羽くん次第らしい。「他力本願かよ」と呟くシキくんに同意しかしなかった。

「まあちょうどよさそうな仕事ならあるぞ。
俺と夏羽で行こうと思ってたやつだが晶がやる気なら任せてもいい」

「ホント！？」

「渋谷の地下に川が流れてるんだが現在移設工事中でな。作業員の変死が相次いでるらしいんだ。原因を調査しに向かってほしい」

「渋谷川って、建物でフタされててほぼ下水道のとこじゃん。オレ絶対パス」

「その通り。怖くて気持ち悪くておまけに汚い。本当にできるのか？」

叔父さんの問いかけに、アキラくんは一気に気分を悪くしたように顔を青くさせていた。

下水道って、この世の汚いものを全て詰め込んだようなとこだもんな。そんなところへアキラくんが行く姿は全く想像つかない。

「俺は問題ありません」

「ぼ……ボクも問題ありません。
でもちょっと気分が悪いのでおフロに入ってきてもいいでしょうか」

「大問題じゃねーか」

真っ青な顔でお風呂へ駆け込むアキラくんの後ろ姿を見つつ、確かにあの調子じゃ問題しか無さそうだと頷いた。

「ダメだろありゃ。絶対失敗するって、やめさせたほうがいいと思うけど」

「そうねぇ……確かにちょっと心配だな。なあA」

「ウワァ絶対呼ばれると思った。なんですかおじさん」

「あいつらにはああ言ったが、今回は戦闘がメインになるかもしんない。あとは分かるな？」

「そんなんあんの～～……余計危ないじゃんね、まあ彼らのお世話係任命されてるんで行きますけど！」

割とやる気な態度の私を見たシキくんによく分からないものを見るような目で見られてるが、構わず「一応戦闘服に着替えて来よ～」と自分の部屋へ駆けて行った。

後ろの方から「着ぐるみに戦闘服とかあんの？」「アイツにとっちゃあるんじゃない？」「へー」とか聞こえたがあるんだよなこれが。とりあえず、汚くなってもいいようなものにしとこう。