第三十一話「嫌々」 ページ32
次の日。
もしかして昨日のことは夢だったのではないかと思い、二度寝をしようとしたがノックもせずズカズカと乗り込んできたシキくんに引き摺られ、みんなが集まるリビングに連れてかれた。
寝癖が爆発したまんまだとか、パジャマ姿のまんまだとか今はどうだっていい。
「ああああ、なんかよく考えたらあんまり知らない人の元に急に「行け」って言われたら怖くない?私は怖いよシキくんんん……!!」
「おいコラ足にしがみつくんじゃねえ!!一番年上のお前がそんなんでどーすんだ、そんな有様でよく今まで生きてこられたよな!!」
「辛辣過ぎわろた。自分モグラなんで引き篭もるわ」
「この馬鹿、アホなこと言ってねーで早く準備して来いバカ!引き摺ってでも連れてくぞ!」
「うえええ……シキくん酷すぎィ……」
年下にバカアホ言われる年上の立場よ。
くっそぉ……とフラフラ歩き出し部屋に戻った。3分以内で戻らなかったら着替えの途中でも連れて行くという鬼畜極まりないことを言われた。それって脅しって言うんだぜシキくん。
2分で身支度を整えて出た。昨日腹を括れたんならもう行けるはず。行けるはず……と自己暗示をかけながらだから本気で行きたくないってのを分かってほしい。
何故かアキラくんまで付いてくるらしい。やったね!仲間が増えたよ!(やけくそ)
ちなみに今日の着ぐるみはトラである。ちょっとでも強く見せようとかそんな邪な考えは持ってない。決して。
***
警視庁に着いた。
たっけえ建物である。以上一言のみの感想。
今は受付に向かったシキくんが掛け合っているが、どうやら子供という事で信じてくれないようで担当のオジサンは雑な対応しかしてくれない。
しめた!これを理由にもう帰ろうぜみんな!
「……どれが夏羽?」
突如、何処からともなく1人の少女が現れた。しかも可愛い。どうやらイナリさんに関係する子らしいが、結構可愛い。というか大変可愛らしいお嬢さんですな。
指名を受けた夏羽くんは少女の「ついて来い」という言葉に素直に従っていた。ほっ、どうやら用があるのは夏羽くんだけらしい。
因みに私たちは少女にいらん呼ばわりされた。自分含め可哀想すぎる。
とりあえずお呼びでない我ら3人はロビーにて夏羽くんの帰りを待つことにした。こんな事なら小説なり何なり持ってくるべきだった。
260人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさり(プロフ) - 夢小説特有の面白みもありつつ、しっかりと原作沿いにも成っていてこれは良作 (2020年7月16日 15時) (レス) id: 32331818c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nny。 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月13日 18時