第二十五話「半妖達」 ページ26
シキくんはやはりというか機嫌を悪くしたようで何処かへ行ってしまった。「半妖」仲間が増えて嬉しいかと思ってたら、そうでもなかったらしい。
対してアキラくんは夏羽くんに友好的な感じだったが、夏羽くんが彼のことを女の子だと思ったらしく、アキラくんは泣きながら去って行った。でもアキラくんには悪いが、あんなに可愛かったら誰だって女の子だと間違えるよ……
「まっそーいうワケだから。俺は寝直すよ……適当に仲良くやってくれ。A、年上代表としてあとは頼んだ」
「ええ……はぁい」
おじさんは適当な感じで手を振り部屋へと歩いて行った。とりあえずポツンと残された夏羽くんの肩をポンと叩き、「あの子らメチャクチャ個性が強いけど、私でもなんとかなったから大丈夫だよ」と言うと、彼は特に気にしてなかったようでいつも通り無表情のまま「わかった」と頷いていた。
***
リビングのソファーの上で寝転がりながら、私は斜め前に座っている夏羽くんと談笑を交わしていた。
夏羽くんは私が「その辺で寛いでていいよ」と言ったら何故か地べたに正座をしていたので1人用ソファーに座らせた。君はもう少し我儘になってもいいと思うの……
しかもソファーに座ったまま何をする事もなくじっとしていたのを発見し。君のそれは寛いでいると言えるのか?
とりあえず彼を1人にしとくのは気が引けるので私もここに居ることにした。そして暇だったので私が彼に色々と喋りかけていたというわけである。
そんな時、不機嫌さを隠さない表情をした彼がやって来た。
「おい、退け。邪魔だ」
「ええ、なんだよシキくん、その辺空いてるんだから適当に座ればいいじゃん」
「お前1人で場所取りすぎだっつうの!もっとそっち行けよ」
「しょうがないなあ」
体を起こし、ソファーの半分を譲ってやった。
何だかいつも以上に機嫌が悪くなっているシキくんはけっと吐き捨て隣にドスンと座る。
シキくんの横暴さと夏羽くんの謙虚さを足して二で割ったら丁度いい人間性になると思うんだがどうだろうか。
そんなシキくんは隣で黙って(しかし不機嫌そうに)漫画を読んでいたが、突然チャイムが鳴ったと思えばすぐさま立ち上がって玄関へ向かっていった。あの様子だと大方ピザでも頼んだんだろうな。
そしてシキくんが戻ってくると、手には大きめのサイズだと思われるピザの箱を持っていた。
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あさり(プロフ) - 夢小説特有の面白みもありつつ、しっかりと原作沿いにも成っていてこれは良作 (2020年7月16日 15時) (レス) id: 32331818c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月13日 18時