第十話「仕事仲間」 ページ11
新月に変わるまでの5日間は実に長かった。
私もこんなかかると思ってなかったため、仕事仲間というか最早家族のような存在たちになんやかんやと言われたがとりあえずゴメンね系スタンプを連打して収めた。
そっちはまだ良かったけど、もう1人……めちゃくちゃ扱いが難しい一名にぐちぐちぐちぐち文句を言われた。スンマセンスンマセンと低姿勢で謝ってもギルメンに迷惑がかかるから事前に言えだの下僕が勝手に行動するなだの……って誰が下僕だふざけんな。あの人私のことずっとそう思ってたのかよ。
くっそおおと怒りのあまりLINEをブロックしてやろうと思ったが、前にそのような事をしたら私のスマホがハッキングされて、暫くの間自力で操作できず使い物にならなくなったという悪質すぎる嫌がらせを受けたのでやめる。賢明な判断である。
「なあA、俺に今回の仕事内容お前に伝えたっけ?」
「え?腐った家畜の死体の調査だったよね?」
「あーうん、そうそう」
「それがどうかしたの?」
「いんや、なんでもない」
「??」
唐突なおじさんの質問に首を傾げる。え、合ってるよね?摩訶不思議な死体は一体“何”が作り出してるかの調査だよね?だからこうしてだらだらしながら新月になるのを待ってるんでしょ。
何度かおじさんに聞いてみるが上手くはぐらかされたようで少年の方へ歩いて行ってしまった。……マジで何だったんだ?
そしてこの数日の中で、ちょっとだけ少年と仲良くなったような気がする。まあ彼らが畑仕事してるところにチョッカイかけにいくだけなんだけども。
少年は年齢に似合わず静か、というより大層な無口なので人見知りの身としては結構居心地が良い。喋らなくていいってだいぶ楽。この年代有りきのギャーギャー喧しい感じよりよっぽど付き合いやすい。
今日も畑仕事に勤しむ2人にコッソリ近付いてみる。背後から驚かそうとしてみたが、直前で少年が振り向きあと一歩のところで叶わなかった。
「何をしてるんですか?」
「……暇人のちょっとした遊びだよ」
「お前暇ならこっち手伝えよ」
「アッちょっと用事思い出した。じゃあねお二人さん!アデュー!」
後ろを振り返り、旅館に向かってすぐさまBダッシュ。力仕事は専門外なんだよな、うん。
それにただでさえ持ってきた数少ない着ぐるみを汚したくはない!
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あさり(プロフ) - 夢小説特有の面白みもありつつ、しっかりと原作沿いにも成っていてこれは良作 (2020年7月16日 15時) (レス) id: 32331818c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月13日 18時