第7話「イエスお通夜」 ページ7
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予感は的中した。
真希ちゃんは堂々と、いつもより若干沈んだ様子の恵くん相手に「お通夜かよ」と吐き捨てていた。
真希!!新一年生!!新一年生いるから印象が!!!真希ちゃん!!!
「真希、真希!!」
「真希ちゃん、真希ちゃぁぁん!!」
「うっせぇな、何だよ!」
真希ちゃんは苛立ち気にこっちを振り向いた。
木の陰に隠れた私たち3人がこっそり彼女に届くくらいの声量で教えてあげれば、彼女はみるみるうちに冷や汗を流し始め「は や く 言 え や」とブチ切れ寸前である。
「これじゃ私が血も涙もねぇ鬼みてぇだろ!!」
「実際そんな感じだぞ!!」
「いつも以上に鬼畜だし、傷口にぬか漬け練り込んだみたいな有様!」
「ツナマヨ」
「微妙な例えすんじゃねぇA!!」
何で私だけ怒られたの。
真希ちゃんは怒りながらも少々悪いと思ったのか、「甘やかすだけが優しさかね」とぼやいていた。
「でも憂太といる時は少し丸くなるよな〜」
「確かに。憂太くんがいたらちょっとマシに」
「A先輩」
急に名前を呼ばれて振り向けば、割と近くに恵くんが立っていた。
ちょっとだけビックリしつつ、しかしそれに気付かれないように「恵くん、久しぶりだね」と笑う。
頰に、彼の無骨な手を添えられた。
「………泣いたんですか。目元、赤くなってますよ」
「えっ、あ、うん。ちょっとね」
「また袖で雑に拭ったんすね。腫れてます」
「ありゃ、ほんと?」
普通に接近し普通に顔に手を添えて親指の腹で優しく目尻を触る恵くん。
ちなみに言っておくが。
私と彼は所謂「恋仲」ではない。
「えっアンタらデキてんの?」
「初めまして新一年生の方!デキてません!」
「そうだな。今は」
「つまり?」
「仲を深めてくのはこ」
「はいはいはい!!新一年生さん!私、
手を上げて宣誓するかのように声を上げれば名も知らぬ彼女に「声デカ」と言われた。
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Alice - ( ,,`・ω・´)❕続きが早く見たいです!.更新頑張ってください (2023年1月29日 13時) (レス) @page40 id: 37c62558af (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年1月4日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - 更新頑張って!! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続きを...お願いします...!!更新待ってます!! (2020年11月17日 23時) (レス) id: 3b4652fe38 (このIDを非表示/違反報告)
おでんパン - とっても面白いですね!!更新楽しみにしてます!!!! (2020年11月12日 23時) (レス) id: 9599c9f027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨風 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月2日 17時