三十五、「一心に」 ページ39
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「っのばらちゃんになにしてんだオラぁぁーーっ!!!」
思いっきり振りかぶり、渾身の呪力を込めた木刀をぶん投げた。
それはのばらちゃんを掴んでた呪霊の腹にぶっ刺さり、痛みからか怒りからか咆哮を上げる呪霊のもとに走る。
素早く木刀を抜きとり呪霊の腹に一度、二度、三度、ぶっ刺した。
顔面に大量の血を浴びる。
呪霊がのばらちゃんを離し、のばらちゃんが頭から地面に落下し____そうになったところをなにか細長いものがキャッチし、そのまま引っ張った。
「めぐみん!!!」
闇の中に一筋の光。開け放たれたその先に、息を切らしためぐみんの姿。
そしてのばらちゃんはめぐみんが出したらしいカエルに飲み込まれそうになっていた。
……あれ?飲み込まれそうになってる?
「カエル苦手なんスけど……」
「悪かったな!!」
「めぐみんないっすー!!」
「Aっ……お前は元気そうだな」
「アレくらいだったらよゆー!!」
巨大なキノコの呪霊をばっさばっさ斬りつけて彼らのもとに向かう。2人とも大丈夫そう!
「アンタ、」
「めぐみん、ゆーじくんは!?とっきゅう、まだいるよね!?」
「説明は後だ、さっさとここから出るぞ!!」
「ゆーじくんは!っわ!!」
黒のイヌ、めぐみんの式神が吠え立てるようにバウバウ唸った。
めぐみんを見る。めぐみんはやっぱり「早く来い!!」としか言わない。こんなめぐみんを見るのは初めてだった。
後ろを向いて、誰もいない空間をじっと見て強く木刀を握りしめる。そして前を向いて、振り向くことなく走りだした。
……
…
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「俺にはアイツを始末する責任があります」
めぐみんはそう言って、“ここに残る”と言った。
「です!なのでその、イケチさん?のばらちゃんお願いします!」
「伊地知です」
「無事に送りとどけてくださいねアケチさん!」
「伊地知です」
「お前も、……っつっても聞かねえんだろお前は」
「聞く気なし!」
しっぽ巻いて逃げる私じゃないよ!
ふんすふんすと鼻を鳴らしながら真剣な顔してめぐみんを見る。
何もできてないのにここで帰るとか、そんなの絶対にいやだ。
「というわけでゆーじくん探してきますお先に!」と言い逃げ、ばびゅん!と駆け出す。後ろからめぐみんの声が聞こえたけどスルーした。今はただ前に向かって走る。あり余る元気を発散しなくちゃ!
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年1月4日 16時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 葵羽〜best friend group〜さん» 葵羽様、コメントありがとうございます!完全に私の趣味ですがお付き合い頂けると幸いです笑 そしてこの作品含め他の作品にもたくさんコメントして頂いて本当にありがとうございます!とても励みになります。これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します! (2020年10月19日 23時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 夢主ちゃんがすごく可愛い…相変わらずぱんこさんの作品、面白すぎます!何度読んでも飽きません!更新頑張ってください!応援しておりますっ! (2020年10月19日 22時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - みわさん» 完全に自己満な上幼女(?)みたいな夢主ですが、そう言って頂けて嬉しいです。励みになるコメントありがとうございます!これからも頑張ります。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 緑緑さん» 完全に私の趣味です(笑)幼女を求めて作ってたら幼女擬きが出来上がってぽかんとしました。これからも頑張ります! (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年10月18日 19時