七、「夜闇に疾走」 ページ11
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特になんの気配もない。病院って暗いなあ。でもそこまで呪いの力は強くない。というかここら辺は特に、………何も感じない?
「めぐみん」
「なんだ、今説明中だ」
「ない」
「……は?」
「ここにあるはずの、強い気配がない」
振り向いて、いたどりくんが握っていた箱を凝視した。
ない。やっぱりない。中に何も感じない。
めぐみんはすぐさまいたどりくんから箱を受け取り確認する。
「きっとせんぱいが持ってるんだ。だよね、いたどりくん」
「え?」
「せんぱいどこ?今どこにいる?」
いたどりくんは私の質問に首を傾げて「確か、泉区の方……」と言いかけたが、途中で言葉を止めた。
「そういや今日の夜、学校でアレのお札剥がすって言ってたな」
その言葉に今度は私たちが静止した。
のんきな声で「え……もしかしてヤバイ?」と聞くいたどりくん。
「とてもヤバイ」
「……ヤバイなんてもんじゃない。ソイツ死ぬぞ」
いたどりくんは大きく目を見開いた。
事はとても重大である。このままじゃ人が死ぬ。
私のせい。私が中途半端にしか関わらなかったせいで、中途半端に関わってしまったあの2人が死ぬ。
咄嗟に振り返り、階段がある方向とは逆の、学校方面の窓へ走った。窓の鍵をこじ開けて窓枠に足をかけたら後ろから「オイ!!」といたどりくんの声が聞こえた。
「バカお前、何しようとしてんだ!!ここ3階だぞ!!」
「ごめん、いたどりくん。絶対あの2人は助けるから、許してほしいの」
「はあ!?」
「じゃあ」
「めぐみんお先!」と声をかけて、振り向き様に飛び降りた。
「バカ野郎ーー!!!」と怒声のような絶叫のような声が聞こえてきたが別に私は死なないから大丈夫よ。
宙で身を翻し地面に足から着地する。コンクリートがじゃりっと音がなった。そのまま走り出して学校へ向かう。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年1月4日 16時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 葵羽〜best friend group〜さん» 葵羽様、コメントありがとうございます!完全に私の趣味ですがお付き合い頂けると幸いです笑 そしてこの作品含め他の作品にもたくさんコメントして頂いて本当にありがとうございます!とても励みになります。これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します! (2020年10月19日 23時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 夢主ちゃんがすごく可愛い…相変わらずぱんこさんの作品、面白すぎます!何度読んでも飽きません!更新頑張ってください!応援しておりますっ! (2020年10月19日 22時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - みわさん» 完全に自己満な上幼女(?)みたいな夢主ですが、そう言って頂けて嬉しいです。励みになるコメントありがとうございます!これからも頑張ります。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 緑緑さん» 完全に私の趣味です(笑)幼女を求めて作ってたら幼女擬きが出来上がってぽかんとしました。これからも頑張ります! (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年10月18日 19時