１２８ ページ41
2「何をそんな暗い顔してんっすか」
「え…」
迎え入れた二階堂が、１発目に発した言葉がこれだった。
おかしなものを見ているように、肩をすくめて笑っている。
2「じゃ、おじゃましますねー」
ほら、と何故か俺が背中を押されて入る。
たまがお茶を入れてる間に
俺は促されるまま、二階堂に横へ座らされた。
2「俺先輩だぞ！とかここ俺んちだぞ！とか言わないんっすか」
「は…、」
2「ほんとバカみたいに責任感強いですよね」
「バカ、って…」
これにも、誰に向かって言ってんだよって言ってくれていいんですよ？なんて言われる。
「お前さ、来週藤ヶ谷と2人でご飯行けるって…
喜んでたよな。あの日のつい数日前に」
2「それがなんですか」
「俺、全部台無しにしてるなって」
仕事中と藤ヶ谷の前では笑顔を貼り付けられる。
色んなこと振り払って、頑張って立っていられる。
でも…家にいると無理だった。
振り払うのに疲れているのもあるし
何故か嫌なことばかり、脳にへばり付いてくる。
夜不安定になることも、発作が続くことも
マシになってたのにぶり返したし。
また、たまに心配をかけてばかりの日々が始まっていた。
2「何を今更。そんなどうでもいいことを」
「どうでも良くないだろ…」
2「それに…俺別に、覚えられてなかったこと、ショックに思ってなんかないですよ。わかってたことだし」
「…わかってたことっていう状況がいけねえんじゃん。
記憶抜けてること自体が…おかしいんだよ」
2「そうですけど。みつ先輩のせいじゃないでしょ」
「…俺のせいだよ。俺が弱いせい」
俺のせいで、俺たちは一度バラバラになった。
それがなかったら。
俺が強くて、なんでもたまに、言うことができていれば。
2「あと。実は俺、ガヤさんに一回会ってます」
「…は。いや…今日お前の話した時、会ったことないようなリアクションしてたけど」
2「そうですか？」
と、言われてみれば…そんなこともなかった気がしてきた。
2「ガヤさんに、好きな人の話でもされました？」
「えっ…なんで」
2「そーゆー顔してるから。あと俺もされたんです。
同性が好きだった気がする、それって北山さんかなって」
「うん…」
2「それになんて返しました？」
「違うって嘘ついた…」
そう言った瞬間、二階堂は
は〜！って息を吐きながら胸を押さえる。
2「よかったー！ミツ先輩が空気読める人で」
「…は？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます！ (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます！お話楽しみにしています！ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年6月8日 21時
