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「…ふぅ」
今日も一息深呼吸してから、病室へ入る。
「よっ！」
ドアを開け、今日も明るく声をかけた。
F「また来てくれたの」
あの事件の次の日に
目覚めた藤ヶ谷は
F「いつもありがとう、北山さん」
俺のことを覚えていなかった。
俺のことだけじゃなく、最近の出来事も
俺以外の最近関わりだした人達のことも、
みんな覚えていなかった。
会社を転勤したことはなんとなく覚えていたみたいだが
仕事内容諸々も、プロジェクトをしていたことも
俺と数ヶ月一緒に住んでいたことも
支えてくれた日々たちも
俺のことを好きだと言ってくれたことも
あの事件のことも
俺たちを繋いだ桜並木道も。
全て覚えていなかった。
俺は次の日、藤ヶ谷が目覚めた日に退院し
怪我も酷くなかったことから、退院した次の日に仕事は復帰した。
たまや二階堂にはかなり心配され
もう少し休めと言われたが、動いていないとおかしくなりそうだった。
そこから毎日、会社帰りに藤ヶ谷の元へと来ている。
「もう復帰来週だからな〜
まあ、戸惑うこともあるだろうけど、遠慮なくなんでも聞けよ」
藤ヶ谷は1ヶ月入院となったが
もうそれも、残り1週まで来ていた。
F「うん、ありがとう。
千賀もいるし、安心だな」
千賀のことは、前の会社からの付き合いだったから
覚えていたようだった。
自分のこともしっかり分かっていたし、
本当に最近のことだけが、すっぽり抜けていた。
もちろん…二階堂のことも…
「…あとさ俺が可愛がってる後輩に
二階堂ってヤツいんだけどさ」
F「うんうん」
目が覚めて、二階堂の名前を出したのは初めてで。
二階堂は…藤ヶ谷の元へ来られていなかった。
「藤ヶ谷もすげえ可愛がってくれてたんだよ
だから、今後もよろしくな」
F「あはは、わかった」
「いつも千賀入れて4人で食堂行ってるよ」
F「そっか。今後もよろしくしたいな」
もしかしたら、二階堂のことは覚えてたり…
なんて思ったが、そんなことはなかった。
俺の勝手な行動が、こんな大きなことになるなんて。
1人の人間の思い出を、消すことになるなんて。
F「あのさ…言いにくいんだけど、聞いてくれる？」
「ん、なに？」
F「なんか…俺誰かのこと好きだった、気がするんだよね」
「…え」
F「あと…それが、相手、男だった気がして…」
変な話してごめんね！と。
藤ヶ谷は恥ずかしそうに笑った。
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櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます！ (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます！お話楽しみにしています！ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年6月8日 21時
