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2「ミツせんぱーい」
退勤するために、帰る準備をしていた頃。
語尾に音符が見えそうな口調で二階堂が近づいて来るから…
また何かお願いでもしに来たのかと思った。
「な、なんだよ」
2「来週ね、ガヤさんとご飯行くんですっ」
「おぉ!ふたり?!」
2「はいっ!」
「よかったじゃねぇか〜!」
わしゃわしゃと髪を撫でる。
俺は、こいつにも藤ヶ谷にも辛い思いをきっとさせたし
現にまださせていると思う。
だから…
「何か協力できることあったらするから、言えよ」
2「はい!それはもう手厚くお願いしますよ〜」
と、部署を出た廊下で歩きながら話していた時だった。
2「み、みつ先輩っ、ちょっとこっち!」
「お、おいっ!!」
途端に、ギュッと腕を掴まれて
まっすぐな廊下をそのまま走られる。
2「す、すみません!大丈夫ですか…?」
角を曲がると、二階堂がやっと止まった。
少し息が上がってむせかえる。
2「ほ、ほんとごめんなさい!」
「いや、げほっ!いいけど…何急に。けほっけほっ!」
意味もなく急に走るわけがないことは、なんとなくわかっているし…落ち着いて二階堂の話を聞く。
2「あの…実は、みやっちが、いて」
「あ?みやっちって、あの、たまの…?どういうこと?」
それから、会社の出口へと向かいながら
二階堂からの話を聞いた。
2「たまからは何も聞いてなかったですか?」
「うん…特に。
いや、まあ…あんまり俺が聞かないようにしてたというか」
俺から出て行って、人の家に居候しといてなんだが
たまが、他の人の家で過ごしていた話は、気にはなっても…
別に聞きたくなくて。
たまから全部正直に何でも話すと言われたが
俺から言わなくていいと言って、聞かないでいた。
みやっちが、たまをどう思ってるかなんて
嫌でもなんとなくわかっていたし。
2「別に、全然、何もないんですけど…ね?
たまは急に出ちゃったし、俺も連絡切ってしまったんで
まあ、一応…?というか」
「そっか…」
2「喉、大丈夫ですか?」
「え、あー」
なんだか重くしてしまったな、と感じ。
「藤ヶ谷からも話聞きてぇから、俺も今週末行こっかなー」
2「えぇ?!」
「ばーか。嘘だよ」
2「……もう」
お前車だから駐車場だろ、俺は迎え来てるからと
二階堂と出口で別れる。
しかしまあ…まさか同じ会社なんて。
T「おつー」
「おう、今日もあんがと」
そして、こんな光景も。
全て、見られていたなんて。
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櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます! (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます!お話楽しみにしています! (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年6月8日 21時