９１2side ページ4
「…あれ。がやさーん。ミツ先輩は？」
営業から帰ってきたらミツ先輩が席にいなくて
最近、また煙草を吸い始めたみたいだったから喫煙室かと思ったが…それにしては帰ってこないから、ガヤさんに声をかけた。
F「あぁ…二階堂が営業の間に、貧血で倒れかけて。医務室いるよ」
「え？！大丈夫なんすか？」
F「昼休みも調子悪そうだったでしょ。昨日の夜からご飯ちっとも入らないって言ってたから怪しいと思ってたんだけど」
「僕、覗いてきます！」
おい、寝てたら邪魔するなよという声を無視して、小走りで医務室に向かう。
一応静かにノックして、中に入った。
K「…っ。ふじが…、あ…、」
「え、ミツ先輩？どうしたんですか…」
ベッドに寝転んでいたミツ先輩が、ドアが開くとゴロンと寝返りを打ちこっちを向いたと思えば
目が真っ赤で、頬も濡れていて。
入ってきたのがガヤさんだと思っていたみたいで、その見たことない弱々しい表情は、すぐに気まずそうな表情へと変わった。
K「わるい…何もない」
「何もなく…ないですよね」
ちょうど、ミツ先輩とずっと話がしたいと思っていた。
本当はプロジェクトが終わり次第すぐにご飯に誘おうと思っていた。
以前はよく仕事終わりに飲みに行っていたが、今は全くだったし…
何よりたまの話がしたかった。
ガヤさんの話がしたかった。
「僕、ミツ先輩のこと本当に大好きです。尊敬してます」
K「え…」
「でも、今は何考えてるかわかりません」
俺の顔をじっと見たまま固まるミツ先輩は
まだ時々、ぽろっと涙が溢れている。
「ミツ先輩は誰が好きなんですか」
K「そんなの…決まってるだろ」
「たまですか」
K「…そうだよ」
「じゃあなんで…っ！ガヤさんのとこいるんです？
たま、ミツ先輩のことずっと待ってますよ」
K「うん…」
こんなのミツ先輩らしくない。
いつだって真っ直ぐな人だったのに…なんで。
結局それ以上何も言わないミツ先輩にも、沸々と苛立ってくる。
ミツ先輩にこんな苛立ちを抱いたのは初めてだった。
「僕は…ガヤさんが好きなんです」
K「………え？」
ギュッと拳を握る。爪が刺さって痛い。
ああ、言っちゃった。口にしたら終わりと思っていたのに。
「でも、ガヤさんはずっと北山さん北山さんって」
K「藤ヶ谷は…そういうのじゃないよ、」
「ミツ先輩が鈍感なだけじゃ？」
もう封じ込めなかった。
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櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます！ (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます！お話楽しみにしています！ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年6月8日 21時
